ルネサスエレクトロニクス、32ビットRISC-V CPUコア搭載の汎用マイコンを開発し量産開始

ルネサスエレクトロニクス株式会社は、32ビットRISC-V CPUコアを搭載した汎用マイコン「R9A02G021」を自社開発し、量産を開始した。

「R9A02G021」は、最大動作周波数48MHzの性能で、スタンバイ時の消費電力は0.3µAの汎用マイコンだ。128KB(キロバイト)の高速フラッシュメモリと16KBのSRAM、4KBのデータ保存用フラッシュメモリを備えており、-40℃~125℃の温度環境で確実に動作する。

また、A/DコンバータおよびD/Aコンバータを搭載し、標準的なシリアル通信インタフェースを装備している。これらにより、センサ、ディスプレイ、その他外部モジュールと接続可能なほか、入力電圧範囲が1.6V~5.5Vでノイズ耐性も高い。

利用シーンとしては、IoT機器やコンシューマエレクトロニクス、小型家電、ヘルスケア機器、産業機器などが挙げられている。ユーザは、RAファミリやRXファミリなどの汎用マイコンと同様に、ルネサスとパートナ企業が提供する開発環境を利用することができる。

ルネサスのエンベデッドプロセッシング第一事業部、事業部長のDaryl Khoo氏は、「ルネサスは、ASSPからこの汎用マイコンに至るまで、RISC-Vアーキテクチャを活用しつつ、お客様が迅速に量産まで移行できることを目指してきた。お客様は時に、複雑な設計課題を解決する上で、性能、消費電力、メモリ、CPUの選択において妥協せざるを得ない状況があり、ルネサスはオープンアーキテクチャ製品を使いたいと考えているお客様に、RISC-Vマイコンという選択肢を提供する」と述べている。

また、Yole Groupのメモリ&コンピューティング事業部、半導体のプリンシパルアナリストであるTom Hackenberg氏は、「これまで、RISC-Vの重要な潜在市場であるマイコン市場には、市場の約85%を占める大手マイコンサプライヤから商用となる強力な製品が提供されていなかった。しかし、ルネサスがその多様なマイコン製品群にRISC-Vマイコンを投入し、業界標準のツールサプライヤが必要なサポートを提供することで、RISC-V市場はようやく成長を加速し始める態勢が整った。他の主要ベンダがルネサスに倣うことで、RISC-Vは2029年末までにマイコン市場全体の10%に近づき、その後も大きな成長が期待できる」とコメントしている。

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