近年のエッジAI処理では、カメラ画像を用いた高精度な映像解析や推論処理によるエンジン開発のニーズに応えるため、高い演算性能を持つGPUが不可欠となっている。しかし、消費電力の増加や放熱の観点から電源や筐体サイズが大型化し、設置スペースが限られる製造現場などにおいて課題となっていた。
そこでNECプラットフォームズ株式会社は、エッジコンピューティングに適したコンパクトボックス型コントローラの拡張ボックスモデルにおいて、組込み向け2枚幅GPUの搭載に最適な「拡張ボックス 1Slot電源強化モデル」の販売を開始した。
今回の新モデルでは、高速データ通信が行えるインターフェース規格「PCI Express」ボードが搭載可能な1Slotモデルと5Slotモデルに、コンパクトな筐体で内蔵電源を採用し、設置性を保ちながらGPUが必要とする消費電力をまかなうことが可能となった。
処理性能については、300Wの内蔵電源を採用し、高負荷な処理を安定して行えるため24時間安定稼働が可能だ。
筐体サイズはD238.7mm×H240mm×W130mmとコンパクトで、1枚幅または2枚幅のハーフレングスGPUの搭載が可能だ。

また、NVIDIAプロフェッショナルグラフィックスボードのうち、組込み向けGPUとして主流のNVIDIA RTXの2枚幅ハーフレングスGPU「NVIDIA RTX A2000 12GB」および「NVIDIA RTX 4000 SFF Ada」との動作検証を実施済みとのことだ。
利用シーンとしては、製造業での外観検査、教育機関における3Dディスプレイでのシミュレーテッドリアリティを用いた授業、研究機関におけるAI推論・学習を用いたエンジン開発などでの使用が挙げられている。
なお、「拡張ボックス 1Slot電源強化モデル」は、PCI Expressスロットが2Slotあるが現行機では1Slot(16lane)のみ有効で、2Slot目は、次世代機にて有効となる予定だ。
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