パナソニック ホールディングス株式会社とパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社は、国立大学法人九州工業大学との共同研究において設計・製造した超小型人工衛星「CURTIS」を、国際宇宙ステーション(ISS)から放出し、衛星の動作実証とパナソニック製部品やコンポーネンツの宇宙空間での技術実証を開始すると発表した。
宇宙は、衛星通信や地球観測などの技術進化により、重要なビジネスフィールドとなっている。人工衛星や宇宙機器には多種多様な電子部品やコンポーネンツが搭載されることが想定されており、パナソニックグループでは、製品群の宇宙展開を進めているが、宇宙空間での部品の信頼性や地上での評価試験などの検証が不十分だったのだという。
そこで、今回の宇宙空間での技術実証で使用されるコンポーネンツは、デバイスレベルでの信頼性試験や真空環境での動作試験を完了しており、ISSからの放出後約1年間の運用を通じて技術実証を行う予定だ。
今回の技術実証では、組み立てが容易な超小型人工衛星「CURTIS」そのものの動作実証を行う。
また、パナソニックが取り扱う製品群の宇宙空間での技術実証を行い、地上で利用されている部品やモジュールを宇宙用途に転用できる可能性を検証する。
さらに、高密度回路設計技術・実装技術を用いて人工衛星の基本のバス部を小型化し、ミッション部の容積を拡大した技術と、放熱性に優れたグラファイト材料技術などにより構成されたサーマルマネジメントユニットを用いた回路形成技術の実証を行う。
今後は、得られた技術データを活用し、宇宙産業向けのコンポーネンツ提供を目指すとしている。
また、超小型人工衛星は、バス衛星としての技術実証やサービスを提供する事業者との協創を通じて活用するとともに、6Uや12Uサイズなど大きな衛星への展開も進める計画だ。
なお、この成果の一部は、経済産業省 産業技術実用化開発事業費補助金および、情報処理・サービス・製造産業振興研究開発等事業費補助金を活用した研究開発から得られたものだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。