シチズンファインデバイス株式会社は、光プローブを用いた電流波形測定用電流センサ「OpECS(オペックス)」を開発した。
「OpECS」は、光学、成膜、脆性材料加工の技術を融合し、光プローブを用いた磁気光学式の電流センサだ。センサヘッドは光学部品のみで構成されており、電気部品を使用していない。
これにより、高い周波数において測定可能な電流が制限される「周波数ディレーティング」という課題が発生しないなどの利点があり、高周波・大電流における正確な測定が可能だ。
また、電流が流れる際に発生する磁界を、ファラデー回転を利用して測定し、電流に変換する。センサ部は光ファイバーと磁性材料のセンサーヘッドで構成されており、電磁ノイズの影響を受けないほか、大電流を誤って印加しても破損したり感電したりすることはない仕様だ。
さらに、極小センサヘッドにより、狭所の電流測定も可能となる。従来の電流波形測定用センサでは測定不能だった基板実装されたパワー半導体のワイヤなどの狭所の測定が可能だ。

加えて、磁気光学効果を用いているため、磁気センサとしても利用可能だ。磁界の感知を約φ0.05mmという極小の領域で行うため、従来測定出来なかったモータコイルの内部やワイヤ間に生じている磁界及び分布の実測が可能となる。
主な用途や製品領域としては、モータや照明などの制御や電力の変換を行うパワー半導体に代表される「高周波」「大電流」デバイスの正確な電流測定が求められる測定や、モーターコイルから発せられる「磁界測定」が挙げられている。

なお、「OpECS」は、2024年4月下旬より岩崎通信機株式会社との販売特約店契約を締結し、国内市場において販売を開始する。
今後シチズンファインデバイスは、OEMパートナーシップを構築し、販売の拡大を目指すとしている。
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