ローム株式会社は、小~中電力帯(30W~1kWクラス)の産業機器や民生機器に適用可能な、フルデジタル制御電源と同等の機能を、アナログ制御電源レベルの低消費電力・低コストで提供できる電源ソリューション「LogiCoA(ロジコア)」を開始した。
「LogiCoA」は、アナログ回路の性能を生かすためデジタル要素を取り入れた設計思想のブランドだ。そして、「LogiCoA電源ソリューション」は、「LogiCoA」マイコンを中心としたデジタル制御部分と、シリコンMOSFET等のパワーデバイスからなるアナログ回路を組み合わせた「アナデジ融合制御」電源だ。
「LogiCoA電源ソリューション」は、フルデジタル制御電源において、高速CPUやDSP等のデジタルコントローラが担う機能を低ビットのマイコンで処理できるため、アナログ制御電源では実現の難しい高機能を、低消費電力かつ低コストで実現する。
また、「LogiCoAマイコン」に電流、電圧値等の各種設定値を記憶できるため、電源回路に応じた周辺部品の性能ばらつき補正が可能だ。
これにより、アナログ制御電源と比較して、設計マージンを考慮する必要がなくなるため、電源の小型化や高信頼化に貢献する。さらに、動作ログデータをマイコン内の不揮発性メモリに記録できるため、不具合時のバックアップとしてログの記録が求められる産業機器の電源にも最適だ。
また、ロームの公式Webサイト上では、非絶縁バックコンバータの回路で、「LogiCoA」電源ソリューションを体験できる評価用リファレンスデザイン「REF66009」を公開している。
このWebサイトでは、評価に必要な回路図、PCBレイアウト、パーツリスト、サンプルソフトウェア、サポートドキュメント等の各種ツールを提供し、ロームから入手可能なリファレンスボード「LogiCoA001-EVK-001」を使用することで、実機評価が可能だ。
利用用途としては、産業用ロボット機器、半導体製造装置、アミューズメント機器などの一般的な産業機器や民生機器(30W~1kW)が挙げられている。
ロームは現在、アナログ・デジタル融合制御に最適化した「LogiCoA」マイコンを開発中で、このマイコンは、タイマー連携可能な3chのアナログコンパレータや各種パラメータのデジタル制御が可能なD/Aコンバータ等を搭載しており、さまざまな電源トポロジーに対応できる。なお、「LogiCoAマイコン」の量産及びサンプル提供は2024年6月を予定している。
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