ソフトバンク株式会社は、ソフトバンクの子会社で位置補正情報の生成・配信事業を手がけるALES株式会社と共に、高精度測位や姿勢角の計測ができる「RTKコンパス」を開発し、東京大学 深尾研究室や京都大学 飯田研究室などと「RTKコンパス」の性能評価および活用に向けた共同研究を、2023年11月から2024年3月にかけて実施した。
「RTKコンパス」は、ソフトバンクが提供する高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」と、ALESの独自の計算アルゴリズムとの連携によって、高精度な位置情報の取得や物体の姿勢角の計測ができるデバイスだ。
デバイスにジャイロセンサや加速度センサなど複数のセンサを内蔵するとともに、1秒間に多くのデータを出力できる高周波出力に対応している。これにより、高速で移動するモビリティに搭載して利用する場合も、微細な動きや傾きなどを計測することができるほか、自動運転や遠隔制御、運行管理などさまざまな用途で活用することができる。
今回実施された共同研究では、傾斜地を走行する農業機械や内海を航行する船舶などに、「RTKコンパス」を搭載して取得したデータを評価した。
具体的には、データの推移から傾斜地や海上、中山間地域などのさまざまな場所で、農業機械・船舶の姿勢に関するデータを正確に取得できることを確認した。

また、他社製品との性能比較でも、より精緻なデータが得られることが確認された。
さらに、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所が開発を進める、船舶の自動航行システムに「RTKコンパス」を組み込んで実験を実施し、船舶の位置情報および姿勢角の情報を安定して計測できることを確認したとのことだ。

ソフトバンクとALESは、今回の共同研究の結果を踏まえて、農業機械や船舶などの自動運転や遠隔制御、運航管理などに関するサービスの開発・提供に向けて、取り組みを進めていくとしている。

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