日本電気株式会社(以下、NEC)は、生体認証技術により立ち止まることなく一度に多人数を認証するシステムを、2024年9月より日本、アメリカ、シンガポールを中心にグローバルで販売を開始すると発表した。
同システムは、顔認証技術と、身体の特徴から人物を照合する技術を用いることで、あらかじめ設定した入場エリア内の人物をスピーディに検出し、混雑下でもその人物を継続して認識し続けることができるものだ。
また、多人数が立ち止まらずに自然に歩きながらでも検出することができるため、1分間に100人のリアルタイムな認証を実現する。
加えて、希望する企業向けのカスタマイズ機能として、事前に顔画像を登録していない利用者が通過しようとした場合は、頭上や床面などに設置したディスプレイやイルミネーションで視覚的にアラートを示すことができる。
さらに、「Bio-IDiom Services ID連携」による生体認証・ID連携機能など幅広いアプリケーションと接続することで、多様なユースケースでの活用が可能とのことだ。将来的には、ARグラスなどと組み合わせることで、セキュリティとホスピタリティの両立を目指すとしている。
認証時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人に認証完了したことが通知される。
これらにより、利用者とスタッフそれぞれが入場可否をその場で把握することができ、利用者の通行と認証の効率性を向上できることに加え、既存施設の拡張や増設をせずに混雑を緩和することができる。
システム導入時は、最小構成として、ハードウェアアクセラレーション技術を組み込んだ手のひらサイズの小型エッジ端末とカメラ1台から導入することが可能だ。
なおNECは、2024年7月、国内のNEC社員2万人を対象に同システムをNEC本社ビルに導入している。従来、社員証をかざして解錠していた自動ドアを、利用者は歩きながら顔認証することで、手ぶらで通過が可能となった。
さらに、利用者が左右どちらの扉に向かったのか同システムが判断し、通過する扉を解錠することもできるとのことだ。
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