STマイクロエレクトロニクス、産業用機器・生活家電向けのモータ・ドライバ「STSPIN32G0シリーズ」を発表

STマイクロエレクトロニクス（以下、ST）は、集積型モータ･ドライバ「STSPIN32」を拡充する8種類の新製品を発表した。

「STSPIN32」ドライバは、汎用STM32マイクロコントローラ（マイコン）と3相ゲート･ドライバを集積した製品だ。

新しい「STSPIN32G0シリーズ」の8品種は、新たに45V/250V/600V定格のゲート･ドライバを搭載した。

また、Arm Cortex-M0+コアを内蔵するSTM32G031マイコンを集積しており、6ステップ制御やフィールド指向制御（以下、FOC）などの一般的な制御アルゴリズムを処理する演算能力を備えている。センサおよびセンサレス両方のFOC実装に対応し、1/2/3シャント抵抗構成のいずれかを選択できる。

さらに、システム設計の簡略化に役立つ機能として、12bit ADコンバータ、内部電圧リファレンス･バッファ、先進的なモータ制御タイマ、デジタル･インタフェース（I2C、USART、SPIなど）も備えている。

加えて、「STSPIN32G0シリーズ」の全品種に、過電流および過負荷保護、クロス導通保護、低電圧ロックアウトなどの回路保護機能が集積されている。

他にも、品種別の評価ボードも入手可能なほか、STSPIN32ファミリの全品種がSTM32マイコン開発エコシステムに対応している。

このため、パラメータ化可能なファームウェア･ライブラリとモータ制御ワークベンチGUIを備えた「X-CUBE-MCSDK」モータ制御ソフトウェア開発キット（SDK）など、ツールやソフトウェア、評価ボードを利用できる。

各マイコン専用のソフトウェア･パックおよびミドルウェア、初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」も用意されているため、プロジェクトの設定や性能分析が可能だ。

ユールケースとしては、バッテリ駆動器具や電動工具、産業用オートメーションやロボット、冷暖房空調設備や生活家電など、多岐にわたるアプリケーションに活用することができる。

なお、8品種のうち4つは低電圧対応品種で、4つは高電圧品種となっており、ユースケースに合わせて選択することが可能だ。

現在、「STSPIN32G0シリーズ」は量産中で、低電圧品種はVFQFPN48パッケージ（7x7mm）で提供され、単価は1000個購入時に約2ドルだ。250Vおよび600Vの品種はそれぞれ約2.14ドルと約2.44ドルで、いずれもQFN 72Lパッケージ（10x10mm）で提供されるとのことだ。