三菱電機、受配電設備を遠隔常時監視するスマート保安サービスを発売

三菱電機株式会社は、受配電設備を遠隔監視し、取得したデータを活用することで保安業務を効率化する「受配電設備向けスマート保安サービス」を、2025年4月1日に発売する。

同社は2024年10月1日から、受配電システム製作所において、同社製受配電設備を対象に「受配電設備向けスマート保安サービス」の社内実証を開始している。

この実証では、発電所から供給された電力を設備に適した電圧に変換し、配電する設備である高圧配電盤にセンサ類を設置して、周囲環境、機器状態および異常兆候の遠隔監視を行い、今回「受配電設備向けスマート保安サービス」の発売を開始した形だ。

このサービスでは、受配電設備内に設置したカメラで設備内の状態を撮影するとともに、温湿度センサや塵埃センサで設備内の温度や湿度、汚損量データを取得する。そして、取得したデータをSCADAで収集・解析し、パソコンやスマートフォン等の画面に表示することが可能だ。

これにより、温湿度センサで取得した設備内外の温度や湿度のデータを常時監視することができ、結露発生の予兆を検知したり、発生前に通知・通知を受けた保守員が受配電設備内のヒータや除湿器を動作させるたりする。

また、温度や湿度のほか、ガス、塵埃、音などのさまざまなセンサから得られたデータに対して、同社が持つ品質工学の多変量解析・パターン認識手法である「MT法による劣化診断技術」などを応用することで、受配電設備の余寿命を診断する。これにより、計画的かつ適切なタイミングで設備のメンテナンスや更新が可能だ。

なお、同サービスは、従来人手に頼っていた点検作業に代えて、遠隔での常時監視による機器の劣化状態や異常兆候の常時把握が可能だ。そのため、行政に対し設置者として社内実証の成果をもとに高圧配電盤の定期点検周期延長を申請した結果、1年から最長6年への延長が承認された。

今後は、2025年3月には、高圧配電盤に続き、同社製特別高圧キュービクル形ガス絶縁開閉装置にもセンサ類を設置し、周囲環境、機器状態および異常兆候の遠隔監視を開始する。そして、検証結果を確認した後、同サービスの対象製品とする計画だ。

また、受配電システム製作所での実証に続き、現在系統変電システム製作所赤穂工場で実施している他社製高圧配電盤向けスマート保安サービスの実証を継続し、「受配電設備向けスマート保安サービス」の他社製高圧配電盤への適用拡大を目指す。

さらに、2025年度内にパワーデバイス製作所の新工場棟を加え、3拠点での複数拠点・一括遠隔監視の実証を行うほか、同社製の特別高圧変圧器の定期点検周期延長の実現に向けた実証についても継続するとしている。

将来的には、スマート保安のサービス対象を熱や水、空気などの動力系設備に段階的に広げていくことで、工場などの設備運営を最大限効率化するソリューションの開発を行い、カーボンニュートラルの推進やエネルギー最適化に取り組むほか、同社のデジタル基盤「Serendie」と連携したエネルギー&ファシリティソリューションの創出を目指すとのことだ。

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