NECマグナスコミュニケーションズ株式会社は、IoTを活用した低圧絶縁監視システム「Maculus(マクルス)」の提供を、2025年7月1日より開始した。
「Maculus」は、キュービクルなどに設置する低圧絶縁監視装置「Ior(アイゼロアール)」と、そのデータを集約・可視化する監視サーバーで構成されているシステムだ。
「Ior」は、高圧需要家設備内の絶縁状況を24時間常時監視し、漏電の原因となる絶縁劣化を検出した際に管理者に警報を通知する装置だ。(トップ画左)
CT(変流器:トップ画右)を取り外すことなく精度試験を行うことができ、装置前面に搭載した7セグメントLEDによって、点検時や漏電発生時の数値をその場で確認することができる。
そのため、探査・点検作業時の測定や確認の工数を削減することが可能だ。

設置や設定が容易で、オプションの停電監視用バッテリーは復電後に自動充電されるため、乾電池交換の手間が不要な点が特徴だ。
また、通信はNTTドコモのLTE回線を採用しており、閉域網で監視サーバと連携するため、サイバーセキュリティ対策にも対応している。
そして、「Ior」のデータを集約し、データを視覚的に表示する監視サーバでは、警報発生中の需要家位置を地図上に表示する。複数拠点を一目で把握できるため、広域停電や災害発生時の状況把握、優先順位付けに活用することができる。
また、警報発生中の需要家のみを自動抽出し、瞬時に状況を把握できるダッシュボード機能を提供する。
さらに、送信先アドレス無制限の警報メール機能に加え、曜日・時間帯別に自動で送信先を切り替えることが可能だ。

可視化内容は、漏洩電流値を1分単位で記録・保存し、グラフや表で推移を表示する。蓄積データはCSV出力可能で、漏電の予兆管理や予防保全、報告書作成に活用することができる。
加えて、専用サイトから警報履歴の確認や原因・対策の記録が可能で、管理者がリアルタイムで対応状況を把握し、緊急時の情報共有をスムーズにする。
これにより、24時間監視と地図システム連携による直感的な状況把握で、高圧受変電設備を持つ事業者の電気保安業務効率化と安全性の維持に寄与する。

なお、今後同システムは、対応機種の追加やシステムの拡張を検討しているとのことだ。
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