5/21にThe intformationが発表したGoogleがIoT向けのOSを作っているという記事が波紋を呼んでいる。
様々なニュースサイトでとりあげるものの、Googleが家電に入る小型のソフトウエアを開発しているという程度の情報があるばかりだ。
一報を受けて、IoTNewsでも様々な識者の見解を聞いてみたものの、「まだ全貌がわからなさすぎる」という回答ばかりだった。
同日、Huaweiが世界最小のOSを発表したことに端を発したようにも見える。
※参考:Huawei(ファーウェイ)が世界最軽量のIoT OSを発表
IoTにおいて、OSは統一されていくのか?
オペレーションシステム(OS)は、これまでも統一しようと各社がしのぎを削ってきたが、実際統一されることはなかった。
マイクロソフトのWindowsもだし、アップルのiOSもだ。
デバイスがあれば、あるだけ派閥ができ、その分OSのバリエーションもある。
重要なことは、IoTにおけるOSがユーザの体験を新しく、かつ心地よいものにするか?ということではないだろうか。
それは、それまでWindowsが支配的であったPCの分野にスマートフォンという形で、iOSというものをぶつけたアップルのようにだ。
IoTにおけるユーザ体験は、おそらくOSそのものだけでなく、そのOSが入る様々な機器の動作にも依存される。
これまでのようなソフトウエアメーカーだけがユーザの体験を作り出すわけではない。
PCメーカーや、スマートフォンメーカーの比ではないくらいの数がある、機器メーカーの使い心地までも巻き込んで、Google社が主導的な立場をとれるのかどうかが問題となるだろう。
HauwaiやGoogleなどは、軽量OSを作ることで、AndroidOSの場合と同じく多くのメーカーがOSを作るということを考えなくても、機器にOSを載せられるということをイメージしているのだと思うが、果たしてそんなに統一的なもので機器が動かせるのか?ということも疑問の一つである。
次のIoT社会を握るもの
先日発表された、Googleのロボットカーは一つのIoTの形だと評判になったが、今後このように様々なプロダクトレベルのものをGoogleが企画していき、それが社会のマジョリティーに支持されるようなことになれば、本来的な意味でIoTの社会を牽引しているといえる状況となる。
IoTを具現化したプロダクトがまだ少ない中、デファクトスタンダードとなるOSの覇権をめぐる戦いが始まったといえるのかもしれない。
よって、たとえGoogleがIoT向けのOSを発表したとしても、それを組み込むメーカーの存在や、自社の投資がなければ簡単に加速するとは言い難い。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。