ぷらっとホーム株式会社は、IoTへの対応を大幅に強化した新型IoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX1」を発表した。同時に、エッジコンピューティングを強力に推進するミドルウェア群およびOSを内蔵した新しいファームウェア「IoT Gateway Firmware 2.0」(以下、FW 2.0)を発表した。同新型IoTゲートウェイ製品「OpenBlocks IoT VX1」には「FW 2.0」が標準搭載される。本日10月24日に注文受付を開始し、10月31日より製品の出荷開始を予定。
現在のIoTはクラウドによって高性能・低価格な処理を実現可能なものとした。エッジコンピューティングはこれに「デバイス接続の多様性」と「処理の即応性」を加えるものであり、IoTがより普及するために必要不可欠な要素となっている。
過去、フィーチャフォンからスマートフォンへとエンドユーザのデバイスが高性能化されることで、アプリケーション環境はWebベースの中央集約型クライアント・サーバシステムから、API志向のネイティブアプリケーションと変化してきた。これにより、クラウドとデバイスの分散処理が可能となり、クラウドのコンピューティングパワーはそのままに、多様なOSへの対応や、ネットワーク状況に左右されない、高速・安定的でストレスフリーなユーザインターフェースといった新しいユーザー体験を生み出し、新しい顧客価値やエコシステムが創出された。
「OpenBlocks IoT VX1」は、IoTゲートウェイのベストセラー製品として従来モデル(OpenBlocks IoT BX/EX)の豊富な機器接続インターフェースや超小型サイズを踏襲しつつ、CPU性能をさらに高性能化し、中央集約型だったIoTシステムの分散処理化を可能とし、多様なデバイスの接続や高速な処理応答を実現した次元の異なるIoTアプリケーション環境を求めている顧客に最適なIoTゲートウェイだという。
同製品により、大量・広域・多地点展開を前提とするIoTシステムの構築が可能となり、都市、住宅、交通、建設、病院や在宅におけるヘルスケア、小売店・フランチャイズ店舗等リテール分野におけるIoT、工場やプラント施設、農業・林業、気象、防犯等におけるIoTの本格導入が可能になるという。
「OpenBlocks IoT VX1」の特徴
「OpenBlocks IoT VX1」はIoTの特徴である顧客の様々な用途にもれなく対応することを目指した汎用IoTゲートウェイ。OpenBlocksシリーズの最大の特徴である長期の安定稼働と同時に、エッジ側での各種ソフトウェアの稼働に対応したエッジコンピューティングを実現する高性能なコンピューティング能力、また、IoTデバイス(モノやセンサー)との有線・無線による多様な接続を実現する拡張性の高い各種インターフェースをもち、さらに、各種クラウドシステムとの通信インターフェース(通信プロトコル)を標準サポートしており、あらゆるモノとクラウドをつなぎ、IoTシステムの本番環境を実現する。
筐体は従来モデルの91×113×23mmサイズを踏襲し重量わずか約160gで壁面や天井等の空間への容易な設置を可能とし、さらに耐環境性能を大幅に向上させ、あらゆる場所・用途での設置・運用を可能とした。
インターフェース
- GPIO/I2C[Pin header](Internal)
- Audio[Pin header](Internal)
- GIGA LAN(Ethernet)RJ-45
- USB3.0
- UART(USB Serial Console,RS-232C,RS-485)
- Bluetooth4.0
- WLAN(802.11a/b/g/n/ac)
- EnOcean(内蔵オプション)
- Wi-SUN(内蔵オプション)
- WWAN(NTT Docomo 4G/3G,AU 4g,SoftBank 4G/3G)(内蔵オプション)
エッジコンピューティングをサポートする高速処理性能
心臓部となるSoCは産業用で圧倒的な実績をもつインテルがIoT用に新しく開発したヘッドレス型SoC、ATOM E3805 (64bit 1.33GHzデュアルコア)を搭載し、ネイティブなレベルでOSを含むソフトウェアを安定稼働させる。ATOM E3805の採用により、多くのIoTゲートウェイが32bitクラスのCPUであるのに対し、エッジコンピューティングにも64bit CPUの処理能力の恩恵を受けられる。
さらにメモリについてもRAM 1GB、FLASHROM 8GBを標準搭載し、エッジ側でOSやミドルウェアのみならず、ユーザー実装する固有の処理プログラムなども高速動作が可能であり、IoTで今後利用が見込まれる機械学習や分散処理を含む、幅広いエッジコンピューティングを実現するという。
ファームウェア「IoT Gateway Firmware 2.0」の特徴
「OpenBlocks IoT VX1」はIoTシステムを実現するために最適化した新しいファームウェア「FW 2.0」を搭載している。FW 2.0は、Linux Kernel 4.xおよびDebian GNU/Linux 8を含み、システムの長期運用を実現する同社の長期サポート(有償)も提供される。また、独立したグラフィカルな管理用ユーザインターフェース「WEB UI」、様々なIoTデバイスと「OpenBlocks IoT VX1(以下、VX1)」の通信をハンドリングするソフトウェア「PD Handler」、様々なIoTクラウドとVX1の通信を行うソフトウェア「PD Emitter」が標準で含まれる。
さらにVX1上で視覚的にプログラミング可能な「Node-RED」を搭載し、プロトタイピングから本番導入まで、エッジコンピューティングの容易な実現を支援するという。
クラウドサービス
- AWS IoT
- Amazon Kinesis
- Watson IoT Platform
- Azure IoT Hub
- Azure Event Hubs
- Toami for DOCOMO
- PD Exchange
クラウドサービス向け通信プロトコル
- MQTT(Standard)
- MQTT for Watson IoT
- AMQP for Azure
- REST
- HTTPS
その他「FW2.0」に含まれる機能
- WEB-UIを使った簡単設定機能
- モバイル回線や無線LANの簡単接続設定機能
- Wi-Fiネットワーククライアントモード機能
- ハードウェアウォッチドッグ機能
- SMSを使った遠隔操作機能
- シリアル通信リダイレクト機能
- Bluetooth機器とのペアリング機能
- Bluetooth SPPシリアル通信リダイレクト機能
- BLEビーコンやセンサーデータの収集機能
- 設置場所登録機能
- Dynamic DNSサービスへのIP登録機能
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