所有モデルのゲートウェイの料金体系
所有型LoRaゲートウェイの利用料金は以下の通りだ。これには、ゲートウェイがLoRaサーバと通信するためのセルラー通信料金や、取得したデータを各種アプリケーションクラウドに転送するためのアプリケーションサービス(Beam/Funnel/Harvest)利用料金も含んでいるという。
また、LoRaデバイスの利用料金は、以下の通りだ。データを転送することに対して課金されるということだ。
利用費用シミューレーション(例)
月額利用料金を試算した場合、以下のようなる。つまり、ほとんどがゲートウェイの費用となるのだ。
共有モデルのゲートウェイの料金体系
所有モデルは便利だが、無線資源は有限である。電波資源を無駄なく有効に使っていくには、どうすればよいのだろうか。
玉川氏によれば、「持続可能な社会にむけては、所有するより利用するという考え方が好ましい。」という。
そこで、「共有モデル」を選択すると、「パブリック・モード」に設定された、ソラコムが提供するゲートウェイサービスを利用することができる。
どこにこのゲートウェイがあるかについては、SORACOM LoRa Spaceというウエブサイト上で公開される。
すでに日本で十数箇所共有ゲートウエイはおかれており、接続可能エリアも今後広がっていくのだ。
共有モデルの利用料金は以下のようになっている。
共有されたゲートウェイが増えてくると、ゲートウェイを所有しなくてもLoRaデバイスの検証・開発・運用が行えるということがメリットとなる。
シェアリングエコノミーが広がっていくと、LoRaデバイスだけをつかえばすぐにLoRaWANが試せるのだ。
初回限定キャンペーンとして、期間限定先約順で7,980円が4,980円で購入可能ということだ。
利用費用シミューレーション(例)
共有モデルでの利用費用シミュレーションは以下の通りだ。
SORACOMは、LoRaWANサービスを本格化したことにより、IoT向けモバイル通信サービスという立ち位置から、「IoT向けのデータ通信サービス」となるのだと述べた。
今後、屋外用ゲートウェイやセンサーがついたデバイスを開発していくということだ。
玉川氏は、「今後できるだけ安い価格でIoT向け通信を提供し、世界から様々なものが生まれてくることを期待している」と述べた。
※LoRaをつかった事例も多く発表されたので、次回事例編を公開する。
ソラコムのLoRaサービスを活用した具体事例 ーSORACOM LoRaWAN Conference 2017レポート
会場の熱気がLoRaへの期待感を感じさせる会であった。実際に、カンファレンスへの応募者は1,000名を超えていたというから、リアルタイムで取材できたのはラッキーだったといえる。
数ある発表は、いつものソラコムらしく、非常に丁寧に、いろんなシーンを想定して作り込まれており、クラウドの力学をよく考慮されている。
特に、共有モデルが発表されたときは、感動した。なぜなら、LPWAの通信は、海外ではスマートシティなどで使われるケースが多いのだが、規模が大きいため自治体主導、産学官連携でやるケースが多いからだ。しかし、この共有モデルは、有志の企業が基地局を解放することで実現される、シェアリングモデルで構成されたスマートシティのインフラになり得るのだ。
次はどんな手を打ち出してくるのか、今から楽しみだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。