ドイツハノーバで開かれていたCeBIT2017、すでにグローバル企業としての一歩を歩み始めたソラコムと、TenserFlowを活用した事例の紹介をしていたブースを取材した。
ソラコムのグローバル展開とプリファードネットワークスとの提携
Japanパビリオン内だけでなく、テレコム関連企業があつまる一角にソラコムのブースが構えられていた。
既にMWCで発表されたグローバル展開の中で、ソラコムの欧州企業との取り組みは以前紹介した通りだ。
Preferred Networks
プリファードネットワークスとのデモでは、会場内の人をリアルタイムでモニタリングし、性別や年齢を判断するところまではデバイス側で、取得した数値データをクラウドにアップロードする部分はSORACOM Airで行うといったデモであった。



「提携に関しても、今後様々な計画を検討している」(ソラコム 玉川氏)ということで、AI分野での注目企業であるプリファードネットワークと、今後どういった仕掛けが行われてくるのか、楽しみだ。
WAVESYS
ポルトガルのネットワークソリューション企業である、WAVESYSでは、セルラー通信だけでなく、様々なネットワークを同時に制御することができる、ネットワークルーターを展示していた。
3G/4Gセルラー、Ethernet、5.0G/2.4G wifi、LoRa@868GHz、ZigBee@2.4GHz、6LoWPAN@868GHz、シリアル、と多様な通信に対応している。
これらを活用して、メッシュやリング、マルチポイントのネットワークを構成することができるので、M2Mやスマートシティの分野で活躍するだろう。
すでに、セルラー部分でSORACOMとの互換性が検証されているということだ。
参考:WAVESYS
TensorFlow
Googleが提供する、TensorFlowを活用した取り組みについて展示されていた。
まずは、おなじみ、キュウリの判別機だ。キュウリの形を画像認識して良品かどうかをより分けるというアイデアを農業の傍ら作られたというものだ。
「現地メディアからも面白い、と取り上げられた」ということだ。(Google 佐藤氏)
次に、学生がTensorFlowの利用例として、唐揚げのサイズを判別して一番小さいものをロボットアームがより分けるというデモを作っていた。
まだそれほど経験がない人でも、簡単に利用できるということがポイントだということだ。
最後は、ドローンで取得した画像から車を認識して車両の数などを管理するというものだ。
現場の課題を解決するのに、TensorFlowが役に立った好例だということだ。
SORACOMもTensorFlowも他にも類似のサービスはいくつもある。しかし、それぞれの特色がきちんと出ているサービスは、利用者に取っても利用しがいのあるものになる。今後、IoTを活用したビジネスをやる際にも、それぞれのサービスの特徴をよく理解して利用していくことが重要だ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。