中国、上海で開かれているMWC2017 上海だが、今回も通信事業者を支える技術の動向を知るべく、エリクソン、ファーウェイ、ノキアの3社のブースを訪問した。
3社とも、バルセロナからのアップデートはそれほどなかったので、前回伝えられなかったことや追加で聞けた内容についてレポートする。
まずは、エリクソンからだ。
5Gではついに「触感」が手に入る ーエリクソン
エリクソンのブースでは、タブレット上で選んだ素材をペンでなぞるとその触感が得られるという展示がされていた。
昨日まではグローブで物体を触った時の触感が試せたということでそちらも試してみたかったが、このタブレットの展示は面白かった。
5Gになることで大容量のデータ通信が実現されるということで、その使い道は多くは動画の再生やリアルの世界をバーチャルに試せるといったVRタイプの展示が多いのだが、この「触感」を再生する技術を使うと、例えばECサイトで何かを買おうとするとき、これまでは触感をためすことはできなかった。
しかし、この技術を応用することで試すことができるのだという。
また、他にも5G通信を使った面白いデモとして、サーキットで走るクルマの視野をすべて塞ぎ、ドライバーにはVRグラスをつけさせ、ドライビングするというデモも公開されていた。
高速に動くレーシングカーの「視覚」データを遅延なくドライバーに伝えるという5Gの特性と、サーキット内の基地局がクルマの方向や位置に応じて適切に通信処理を行うという事例だった。
視覚、聴覚の2つの感覚を5Gではリアルタイムに再生することができることがわかった。聴覚については視覚よりデータ量が少ないのでもちろん再生可能であることを考えると、5感のうちの3つの感覚をリアルタイムに再生可能となる。
これは、特にバーチャル空間での体験を考えたとき、今後の大きな変化となるだろう。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。