ソラコムの新サービス InventoryとJunction ーSORACOM Discovery2017①

3,000名もの申し込みがあった、ソラコム社のカンファレンスDiscovery。代表の玉川氏によると、すでに7,000企業での利用が進んでいるということだ。認定パートナーデバイスは80種類以上となっている。グローバル対応も進んでおり、すでに、米国、ヨーロッパでグローバルSIMを発売しており、120カ国で使えるのだという。

ソラコム Discovery2017
ソラコム 玉川氏

毎年Discoveryでは新しいサービスの発表があり、Air, Beam, Canal, Door, Endorse, Funnel, Gate, Hervestときて、Iがなにかと期待が膨らむ中、ソラコム片山氏とCTOの安川氏から発表があった。

ソラコム Discovery2017

SORACOM Inventory

ソラコム Discovery2017

IoT導入フェーズでの課題としては、
・デバイスのデータ・情報の取得
・デバイスのデータセット
・プログラムの遠隔実行
・ファームのアップデート
といったデバイスの管理が課題となっていた。

そこで、SORACOM Inventoryというサービスを生み出したという。

これで何ができるのかというと、管理画面でバッテリーレベルなどのデバイスの状態がわかる。さらに管理画面からのデバイスのリブートや、デバイスのデータ/状態取得、デバイスへのデータセット、プログラムの遠隔実行、ファームウエアのアップデートも可能となるのだ。

ソラコム Discovery2017

このサービスは、OMA Lightweight M2M(LwM2M)をベースにした、デバイスを管理するためのフレームワークを提供するサービスだ。

OMA Lightweight M2Mというのは聞きなれない言葉だと思う。Open Source Software(OSS)の中で、こういった遠隔制御に対応した技術があり、その中の一つが、OMA Lightweight M2Mというものだ。

仕組みとしては、デバイス側にSORACOM Inventoryに対応したAgentをインストールする。C言語やJava言語で作られたものがサンプルとして提供されているが、実際は導入する企業で作らなければならないということだ。

このAgentがあれば、クラウド側にあるSORACOMの管理画面からデバイスを制御することが可能となる。

また、一般的にこういったサービスではデバイス側に鍵がないと成りすましを防止することができないという懸念があるのだが、SORACOMの場合これまでのSIMを使ったセキュリティ実装からデバイス側に鍵はいらない。

また、ゲートウェイにデバイスが複数ぶら下がっている場合でも、デバイスにInventoryをインストールしてAgentを構成しておけば、ゲートウェイがSORACOM Airに対応していればこのサービスは利用可能となる。

現在、Limited Previewで公開中だ。

SORACOM Junction

二つ目の新機能は、SORACOM Junctionだ。

これまでのサービスでは、デバイス通信の概況を把握したり、異常を検知する方法がない、デバイス自体のセキュリティやマルウエア対策ができないといった課題があった。

そこで、このサービスを利用することで、トラフィックの統計情報をレポートしたり、通信を指定された宛先にコピーして解析することができるようになる。

また、この情報の向先をお客様が指定したゲートウエイに向けることもできるようになるということだ。

この結果、リアルタイムに通信量、トラフィック量がわかるようになる。さらに、後述するミラーリングやレリダイレクションの機能を使うことで、他社製の製品を活用した分析も可能となるのだ。

これまでネットワークオペレータしかできなかったことも、SORACOMでは、お客様企業がそれぞれネットワークオペレータの役割を果たすことができるため、トラフィックをも自由自在に操れるようになるのだ。

仕組みとしては、ミラーリング、リダイレクション、インスペクションの3つの機能がある。

ミラーリング

ソラコム Discovery2017

当然、これまで通信データはSORACOMのサーバに送られていたが、同じパケットデータを指定の宛先に送信することができるのだ。

トラフィックの解析や、可視化を行ったり、トレンドマイクロといった他社製の侵入検知エンジンとの連携も可能となる。

リダイレクション

ソラコム Discovery2017

ミラーリングと違って、すべてのパケットをお客様が指定したサーバを経由するように設定することができる。

インスペクション

ソラコム Discovery2017

インスペクションは、パケットを解析し、アプリケーションの判別やバイト数、パケット数といった統計情報のレポーティングを提供することができる。

参考:ソラコム

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