SORACOM Discovery2017レポートの二回目は、LPWA(Low Power Wide Area Network)に関する発表からだ。
すでに、LoRaWANを活用したサービスは以前よりリリースされており、プライベートネットワークが作れるモデルと、共有ネットワークを作れるモデルのサービスがリリースされている。
また、LoRaWANに対応した認定デバイスもかなり出てきており、先日伊那市で行われた実証実験を始めとして、多くのLPWAの実証実験に活用されている。
一方で、LPWAと一言で言っても、なにもLoRaWANだけではなく、フランスSigfoxy社の提供するSigfoxや、先日ソニーが発表したソニーのLPWAというものもある。
そんな中で、今回ソラコムは、これら2社のLPWAにも対応したというのだ。
LoRaWAN
ソラコムは、LoRaWANの利用シーンとして、もっといろんなデバイスを使いたい、という要望があり、5月にデバイスに関するオープン化を行う発表をしている。
現在、その相互接続試験を実施しているところだということだ。
また、LoRaWAN通信を行うための屋外向けゲートウェイも発売開始したということだ。よく言われる農地のモニタリングなどでは屋外に基地局を設置する必要があるが、防塵や防水など屋外に設置するにはそれなりの設備が必要だ。
さらに、山奥などでは届かないのではないかという課題があり、現在、衛星回線を適用するという実証実験も行っているということだ。
京セラコミュニケーションズ 代表取締役社長 黒瀬氏
SigfoxもSORACOMとの連携に対して、日本の代理店となっている京セラコミュニケーションズの黒瀬氏より解説があった。
Sigfoxは、フランスを本社とするグローバル通信事業者で、LPWAを活用したサービスを提供している。京セラコミュニケーションズはこの事業者として提携している。
Sigfoxは、低コスト(年間100円〜)、低消費電力、簡便性、グローバル展開という特徴がある。2020年3月までに人口カバー率99%を目指しているということだ。今後「下り」の通信サービスも提供していく予定だということだ。チャネルパートナーは現在100社を超えており、村田製作所等様々な企業がSigfoxに対応した通信デバイスが提供されている。
Sigfoxの基地局レンタルサービスも行っており、自前でのサービス開始も可能となっているということだ。
SORACOMの対応状況としても、すでに、SORACOMの管理画面から利用ができるようになっている。端末については、Sens’itやオプテックス社が提供するドライコンタクトコンバーターというデバイスが発売されていて、機材を購入することでSigfoxを活用したサービスを作ることができるのだ。
「どのような通信も、クラウドサービスもソラコムは対応していく」という方針をあらためて明確にした。
参考:ソラコム
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。