英Armは、ArmベースSoC(System-on-a-chip)を対象としたTSMC社の22nm超低消費電力(ULP)/超低リーク電流(ULL)プラットフォームに、Arm ArtisanフィジカルIPが採用されることを発表した。
TSMC社の22nm ULP/ULLは、普及型モバイルおよびIoTデバイス向けに最適化されており、これによりArmベースSoCのパフォーマンスが向上するほか、TSMCの前世代28nm HPC+プラットフォームとの比較では、低消費電力化と省面積化が同時に実現するという。
Armのフィジカルデザイングループ担当ジェネラル・マネージャーであるGus Yeung氏は、次のように述べている。
「この次世代のプロセス技術は、消費電力と面積を抑えつつ、より豊富な機能性に対応します。ArtisanフィジカルIPとTSMCの22nm ULP/ULLプラットフォームの設計・製造コストの優位性が1つになることで、両社共通のパートナーには、消費電力と面積あたりの演算性能のメリットが直ちに得られます」
TSMC社の22nm ULP/ULLプロセス技術向けArtisanフィジカルIPには、次世代のエッジ・コンピューティング機器の低リーク電流と低消費電力の要件に最適化された、ファウンドリの支援によるメモリコンパイラが搭載されている。
こうしたコンパイラを補完するものとして、電力管理キットや厚いゲート酸化膜向けセルなど、超高密度・高性能のフィジカルIP標準セルライブラリがあり、低リーク電力の最適化を支援する。このほか、パフォーマンス・消費電力・面積(PPA)を最大限最適化できるよう、GPIOソリューションも提供されるという。
TSMC社の設計インフラストラクチャ・マーケティング事業部シニア・ディレクターであるSuk Lee氏は、次のように述べている。
「ArtisanフィジカルIPにより、TSMCはテープアウトまでの期間を短縮し、IoTおよび普及型モバイル機器の分野を対象に、業界をリードするSoCをより短期間で市場に投入できます。28nm HPC+プラットフォームでの両社のコラボレーションの成功を踏襲しつつ、TSMCとArmは大幅な低消費電力化・省面積化を実現しており、両社共通の半導体パートナーにとっては、さまざまなモバイル機器を通じてエッジ演算体験の向上の機会が得られます」
TSMC社の22nm ULP/ULLプロセス技術の統合スケジュールは、2018年下半期のテープアウトを目標とするArmとTSMCの半導体パートナーを対象とし、現在進行中だという。
【関連リンク】
・ARM
・台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)
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