ぷらっとホーム株式会社は、5月9~11日に東京ビッグサイトで開催された「第7回IoT/M2M展 春」にて、マイクロソフトのブースに出展。「Azure IoT Edge」に対応した、IoTゲートウェイ用ソフトウェア「FW3.1」(5月9日より発売)を披露した。
ぷらっとホームのIoTゲートウェイ「OpenBlocks」シリーズ
ぷらっとホームのIoTゲートウェイ「OpenBlocks」の特長のひとつは、耐久性だ。2016年に開始した伊丹市の子ども・高齢者見守りサービスでは、BLEビーコン受信器として「OpenBlocks IoT EX1」を市内1,000箇所に設置。約2年経った今も、全台故障なく稼働しているという。
Linux OSに対応した、同社最新のIoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2」(トップ写真・左)は、LTE/3G通信やIoT向け通信技術LPWAのひとつである、LoRaWANにも対応。64bitのCPU、Atom Processor E3805(1.33GHz、デュアルコア)を搭載し、内臓ストレージは32GB、RAM 2GBだ。
軽量であることも特長(筐体重量:約160 g)。実際に製品を持ってみたところ、予想以上に軽いと感じた。
同社はさらに、マイクロソフトのWindows OSに対応した「Windows 10 IoT Enterprise」搭載IoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2/W」(トップ写真・右)をリリースし、今年の2月から販売している。
ぷらっとホームは、Microsoft Azureと連携した、エッジでのシームレスなIoTソリューションをいち早く導入してきたのだ。
「Azure IoT Edge」対応ソフトウェア「FW3.1」を発売

そこで今回、マイクロソフトがIoTエッジコンピューティング支援ソフトウェア「Azure IoT Edge」を推進していることにあわせ、Linux対応の「OpenBlocks IoT VX2」でも「Azure IoT Edge」が利用できるファームウェア「FW3.1」を発表した。5月9日より販売が開始されている。
FW3.1ではDockerコンテナに関する機能を強化。従来のファームウェアの基本機能に加え、Dockerコンテナの追加削除・起動停止などのDockerマネジメント管理機能や、マイクロソフトの「Azure IoT Edge」管理機能を追加している。
「Azure IoT Edge」のマネジメントをWeb UI上で行い、データのリアルタイム分析を行う「Azure Streaming Analytics」や機械学習を行う「Azure Machine Learning」といったデータ処理を、OpenBlocks IoT(上の写真)上で実行することができる。

ぷらっとホームのアーキテクチャである「Plat’Home Data Handling Module System(PDHMS)」とAzure IoT Edge間のデータ連携も可能。例えば、センサーからテータ取得を行うアプリケーション「PD Handler」のデータを、「Azure IoT Edge」で解析することもできるのだ。

Azureのクラウドサービスをエッジデバイス側で実装する「Azure IoT Edge」。マイクロソフトは、5月7日にシアトルで開催したデベロッパー向けカンファレンス「Build 2018」で、あらためてAIとエッジ・コンピューティングの重要性を語り、「Azure IoT Edge」の機能を大幅にアップデートしていく意向を示したという。
ぷらっとホームが提供するような「インテリジェントエッジ」の取り組みに、今後も注目していきたい。
【関連リンク】
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。