近年、企業変革力を強化しようとするDXの潮流により、中核を担うAI分析も限定された課題に対する取組みから、社内のあらゆる課題を解決しようとする取組みへと広がりを見せている。
ブレインズテクノロジー株式会社は、AI分析・運用実績のノウハウを搭載した異常検知ソリューションの新バージョン「Impulse 2.0」の提供を開始した。
Impulseは、データ加工・整理からモデル運用までAI分析の全プロセスをサポートするオールインワンのAIプラットフォームである。オートモデリング機能により生産工程などで発生する多様なデータの特性を分析し、最適な学習モデルを作成することができることから、データサイエンティストに限らず幅広いユーザがAIモデルを作成・運用することができる。
今回提供を開始する新バージョンの特長は以下の通り。
- データ加工・整理の高度化
- データ特徴量・パイプラインの自動選択
- モデルチューニング方法の推薦
- モデルの解釈性向上
- 学習モデルとパイプラインのノウハウ蓄積と最適化
- SDK/APIによる柔軟な実装
データのバラツキをユーザが直感的に把握したり、バラツキに応じたデータ整理方針をシステムが自動推薦することで、良質な学習データ作成が可能となる。また、少量データやデータパターンが充足してないケースでも、データ生成機能を活用し短期間で高精度な判定モデル構築が可能になる。
センサー、静止画の特性を分析し、最適なAIの処理パイプラインを自動選定する。正常データからの「いつもと違う」を検知する教師なし学習のアプローチに加えて、教師なしを軸に異常を分類するハイブリッドや教師あり学習などデータフォーマット及びテーマによって適切な分析手法を選択可能だ。
モデルをチューニングにする上でデータや精度情報から適切なチューニング方法をAIが推薦し改善することができる。
機械学習モデルが判断した理由を直感的に解釈することが可能である。静止画の場合は、いつもと違う部分がヒートマップで可視化され、センサーデータは異常・不良に寄与している因子を寄与率とともに確認することができる。
学習履歴を活用することで学習の仕方を学習しモデル管理・展開を実現する。データの特性に応じたハイパーパラメータの最適化、パイプラインの最適化など再学習時や類似分析案件での学習を効率的に実施・実行することが可能だ。
Impulseが標準で提供するUIを通して、プログラミングレスで利用するだけでなくSDKやAPIを介してImpulseが提供するAI機能を利用することができる。また、クラウド・オンプレのいずれにも対応しているため、既設システムとのインテグレーションがし易く、より業務にあった画面の開発を行うことができる。
これらのアップデートにより、多様化するデータ・各組織の分析テーマを横断的に扱うDX専門組織も、限定された課題をAIで手軽に分析したいという部門も、Impulseを業務に取り入れることができる。
今後は、分析支援やトレーニングなどの技術支援(Impulseプロフェッショナルサービス)の拡充を図るとともに、AI導入のハードルを下げることで初年度で100社の導入を目指す。なお、Impulseの利用料金は月額20万~である。
「Impulse 2.0」の詳細について解説した記事はこちら。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。