現在、LPガス容器の配送業務においては、配送員の高齢化や人材不足が課題となっている。
LPガス容器の配送最適化を実現するためには、スマートメーターから収集できるデータや、LPガス事業者が保有する人員・車両情報などを基に、ガスの残量を予測して配送計画を立てた上で、効率的な配送ルートを策定する必要がある。
ソフトバンク株式会社と国立大学法人九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所(以下、九州大学MI研究所)は、こうした一連の流れをAIで自動化・効率化するために、九州大学MI研究所がガスの残量予測モデルと配送計画・ルート策定モデルの2つのAIモデルを作成し、ソフトバンクがこれらをワンストップで活用できるシステムを開発した。
そしてこのほど、両社はLPガス業界のDXに向けて、AIやIoTを活用したLPガス容器の配送最適化に関するフィールドテストを、LPガス販売事業などを手掛けるアイエスジー株式会社の協力の下、2021年9月20日から実施することを発表した。
同システムは、スマートメーターから収集した検針データを基にAIがLPガスの残量を予測する他、その予測結果やLPガス事業者の人員・車両情報などのデータに基づいて効率的な配送計画を立て、最適な配送ルートを自動で策定することができる。
これまで、配送員は自身の勘や経験によって配送計画やルートを策定していたが、システムから出力された配送先リストや配送ルートをスマートフォンで確認するだけで、ガス容器を効率的に配送することができるようになる。
今後ソフトバンクは、フィールドテストを含む共同研究の結果を基にシステムの改善を行い、2022年春頃をめどにLPガス容器の配送最適化サービスとして実用化を目指すとしている。
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