IoT分野においては、従来のセンサーなどの小容量データだけではなく、各地に散在する映像・画像などの大容量データの利用が活発になっている。また、IoTの利用用途の拡大に伴い、複数のクラウド環境を連携させながら機密データなどを安全に収集・蓄積・分析し、そのデータを監視・制御・予測などに利活用したいというニーズが高まっている。このような背景から、IoTの導入を簡単に開始し、ビジネスの進展に応じて拡張できる柔軟なIoTサービスが求められている。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、企業のDXへの貢献およびSmart Worldの実現に向けて、シームレスなIoT環境を提供するため「Smart Data Platform」(以下、SDPF)(※1)のIoT向けソリューションを強化し、以下の3つの機能を拡充した。
- 「IoT Connect Mobile Type S」に「上り特価プラン」を追加
- マルチクラウドに対応する「IoT Connect Gateway」の接続先の拡大
- Things Cloudの接続先を拡充
eSIM・フルMVNOの基盤を活用し、日本とグローバルで利用可能なIoT向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile Type S」(以下、ICMS)において、上り中心の大容量データ通信を安価に利用できる上り特価プランを追加する。同プランは上りが最小3GBから最大500GBまで対応しており、用途に合わせて料金プランの選択が可能だ。これにより、コストを抑制しながら映像や画像などの大容量データの収集が可能となる。
IoTデバイスの負荷や設定作業を軽減する機能を兼ね備えたサービス「IoT Connect Gateway」の接続先を拡大する。NTT Comが提供するIoTプラットフォームサービス「Things Cloud」をはじめ、Google Cloud Pub/Sub(※2)、Azure Event Hubs(※3)、AWS Lambda(※4)などさまざまなパブリッククラウドへ接続が可能となる。
接続可能なパブリッククラウドへの接続時に必要となる認証情報などをネットワーク側で一括して設定/管理できるため、多拠点に分散する大量デバイスで構成されるIoTシステムでも簡単かつ柔軟に構築・運用することができる。
Things Cloudを、クラウドサービスやデータセンターなどを広帯域の閉域網で繋いだネットワーク接続基盤で、さまざまなICTリソースへの安定・セキュアな接続を実現するNTT Comのサービス「Flexible InterConnect」(以下、FIC)と接続する。これにより、ICMSおよび閉域網などのネットワークサービスとセキュアな接続が可能となる。
また、FICと接続するさまざまなXaaSと連携可能となる。Things Cloudで収集したデータを、SDPFのストレージサービスや各種クラウドへデータ蓄積しAIアプリケーションを活用することで、柔軟なデータ連携、データ加工、見える化、分析が可能となり、最適なハイブリッド/マルチクラウド環境の実現をオールインワンで提供する。
今回の機能拡充により、IoT導入に必要となる大容量データ通信を安価に利用できるようになるとともに、マルチクラウドへの接続やデバイス設定の簡略化、セキュアな閉域網での通信・暗号化、データの収集/見える化までオールインワンで活用できるようになる。
※1 Smart Data Platform:データ利活用に必要な収集・蓄積・管理分析における機能を、ICTインフラも含めてワンストップで提供し、データ利活用によるDX実現を加速させるプラットフォーム。
※2 Google Cloud Pub/Sub:Google Cloud Platformが提供するメッセージングサービス。
※3 Azure Event Hubs:Azureが提供するメッセージングサービス。
※4 AWS Lambda:Amazon Web Servicesが提供するサーバーレスコンピューティングサービス。
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