内田洋行ビジネスITフェア2024

日立、ESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス」を販売

近年、企業には環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を考慮した経営が求められ、そうしたESG情報の開示も重要となっている。

一方、膨大かつ多種多様なESGデータの収集にあたっては、人手による作業が多いほか、部門や国ごとに異なるデータ形式での取り扱い、部門の統廃合時のデータ統一やESG開示テーマの変化への対応が求められるなど、作業負荷の大きさが課題であった。

そうした中、株式会社日立製作所(以下、日立)は、企業内のESGデータの収集・可視化・分析を行う「ESGマネジメントサポートサービス」を開発し、販売を開始する。

日立、ESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス」を販売
「ESGマネジメントサポートサービス」の概要図

「ESGマネジメントサポートサービス」は、CO2削減量・安全衛生・不正リスクなどのESG項目ごとに、各業界で求められている開示項目のテンプレートと、データ収集・可視化・分析などの各種機能を提供するクラウドサービスだ。

日立、ESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス」を販売
「ESGマネジメントサポートサービス」で定義から開示までを表した図

クラウドサービスのため、部署やプロジェクト単位で契約をすることができ、1プロジェクトから段階的に取り組むことも可能だ。

ESGデータの入力・管理ツールは、メールやExcelなど既存の仕組みを活用しており、システム経由で収集したい情報の定義(作成)から依頼メールの一斉送信、収集先における必要項目の入力・返送などを行うことができる。

各部署から収集したファイルは自動でデータベースに取り込まれ、業務ごとに集計・一元管理されるほか、収集データを活用することができる。

日立、ESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス」を販売
収集項目の一覧例

また、収集状況に応じて、自動エラー機能による回答データの不備をアイコンで可視化したり、リマインド機能により未回答者に定期的に自動通知したりすることも可能だ。さらに、組織情報と連携することで、組織変更や人事異動時にも対応することができる。

収集データは、BIツールを活用することで部署・経年・施策別に可視化される。例えば、CO2削減量・安全衛生・知的財産といったサステナブル経営に求められる各種項目を選択すると、現状と経年推移など一覧で表示できるほか、各数値の増減要因などの定性情報(テキストデータ)も把握することが可能。あらかじめ目標値を設定することで、実績値と比較することもできる。

日立、ESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス」を販売
BIツールを活用した管理画面のイメージ

なお、販売開始に先がけ、日立建機株式会社(以下、日立建機)において、安全衛生をテーマに実証実験を行い、リスクアセスメントに必要となるデータの収集において約34%の作業工数削減を達成するなどの効果が確認されている。

そして2022年8月より、一連の実証を経て「ESGマネジメントサポートサービス」は日立建機に本格採用され、稼働を開始している。

今後日立は、日立の関連部門をはじめグループ内への適用を進め、自社での取り組みをベースに、機能追加・改善などのサービス強化を図るとしている。

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