IDC Japan株式会社は、企業のDXおよびデジタルビジネス(DB)を支援するITサービス/ビジネスサービスの需要調査の結果を発表した。これによると、DX/DBイニシアティブに取り組む企業における内製化の主目的は、セキュリティの確保およびケイパビリティ向上であることが分かった。
IDCでは2023年2月に、国内の従業員1,000人以上の大企業のDX担当者(DX/DBイニシアティブに従事するマネージャー層から経営層)を対象に、DX/DBイニシアティブの進行状況と併せて、各種のDX/DB支援サービスの利用状況や、支援サービス事業者の利用動向、開発内製化の実践状況などを調査した。
同調査レポートによると、大企業のDX/DBイニシアティブの8割以上で、ビジネス変革支援や技術実装支援といった何らかの支援サービスを利用している。また、今後1年間の支援サービスへの支出額の増減に関する調査結果では「増える(61.5%)」「変わらない(33.6%)」となっており、支援サービスへの高い需要が今後も継続するとIDCではみている。
DX/DBイニシアティブにおける内製化への取り組み状況に関する調査結果では、同イニシアティブの73%で内製化を実践していることがわかった。また、内製化の目的は、「セキュリティの確保(32.9%)」が最も高く、次いで「人材育成(32.0%)」「開発ノウハウの蓄積(30.7%)」などケイパビリティ強化を目的とする項目が上位となった。他方で開発コストの削減やベンダー依存からの脱却を目的とする割合は相対的に低い結果となった。
また、内製化の実践状況とデジタルビジネス支援サービスの利用状況に関する調査では、内製化を実践している企業の方が、アプリ開発/SI支援を含むすべての支援サービスについて利用率が高い結果となった。加えて、内製化を実践し成果が出ている企業ほど、支援サービスの利用率が高い傾向となっている。
これらの結果から、DX/DBイニシアティブにおいて内製化に取り組む企業は、自社ビジネスの継続的なイノベーションに向け、多様な支援サービスを活用しながらケイパビリティの強化を図るとともに、DX/DBイニシアティブの成果を出しているとIDCではみている。
IDC Japan Software & Services マーケットアナリストである村松 大氏は「DX/DBイニシアティブにおいて開発内製化は一般的な取り組みとなっているが、その成果を上げるためには、業務/組織の変革や人材育成といったビジネス変革支援と、開発内製化を含めた技術変革支援の両方が必要とされており、支援サービスベンダーにとってもビジネス機会となるであろう」と述べている。
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