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製造現場を支えるPLCの新機能、「PLCドラレコ」(オートメーションプレイバック機能)とは何か?

本記事はオムロン株式会社の協力のもと作成しています。

オムロン株式会社は2023年7月27日に「オートメーションプレイバック機能」、いわゆる「PLCドラレコ」の提供を開始した。これはオムロンの最新のPLC(マシンオートメーションコントローラ)である「NX502」の追加機能である。NX502の特徴や活用事例については下記の記事で解説しているため、参考にしてほしい。

製造業DXを実現するオムロンの最新PLC「NX502」をわかりやすく解説

PLCの性能がどれほど高くても、新しい生産設備を導入する際には故障や製品不良などのトラブルが必ず発生する。したがって新規設備の導入にあたっては、トラブルの原因を速やかに特定し、修正していくことがカギとなる。

そのために必要な機能が、「オートメーションプレイバック機能」(PLCドラレコ)である。機械やモノ、ヒトの動きをカメラで撮影した「録画データ」とPLCの「変数データ」、「プログラム」という三種類のデータを連動して再生することで、トラブルの原因を特定することができる。

製造現場を支えるPLCの新機能、「PLCドラレコ(オートメーションプレイバック機能)」とは何か?
オートメーションプレイバック機能の概要。ラダープログラムとカメラの録画データ、変数データを収集し、連動して再生することで、トラブルの原因を特定することができる。

昨今では、自動車に事故が生じた際の映像を録画し、何が起きていたかを特定する「ドライブレコーダー(通称ドラレコ)」を搭載することが増えている。オートメーションプレイバックも類似した機能であるため、製造業の現場では通称として「PLCドラレコ」と呼ばれることが多い。そのため、以下でも基本的にはPLCドラレコと表記することにする。

PLCドラレコのメリット

新しい設備を導入した場合、初めはトラブルが頻発する。従来は、過去の経験からトラブルの原因に関する仮説を立て、想定される部分のラダープログラムをつくり、検証するという方法が一般的だった。しかし、仮説のとおりに問題が解決することは多くはない。

ある製造現場では、仮説が外れる確率は約90%だという。仮説が外れたら再び仮説を立て、検証しなければならない。そのため設備が正常に立ち上がるまでに、1週間~2週間もこの作業に時間を割かなければならなくなる。だが、PLCドラレコを使えば、問題の原因を精密に特定できるため、その作業時間を1日に削減することも可能である。

また、PLCドラレコを使えば、現場に足を運ばなくても、リモートで迅速に対応できるというメリットもある。従来では、設備に問題が生じれば現場に行って確認することが普通だったが、PLCドラレコを使う場合はSDカードのデータを受け取り、PCを操作するだけで原因を絞り込むことができる。たとえば、生産技術は日本にあるが、工場は海外にあるという場合に、わざわざ海外の工場に出向かなくても問題を解決することが可能になる。

PLCドラレコの三つの解析機能

ここからは、オムロンのPLCドラレコ(オートメーションプレイバック機能)に備わっている具体的な解析機能をみていこう。

プレイバックチャート

オムロンのPLCドラレコは、動画データの再生、変数データの再生、ラダープログラムの再生をそれぞれ実行できる。

たとえば変数データを再生することで、設備に生じている異常を精密に調べることができる。さらに変数の変化を波形で見える化する「プレイバックチャート」という機能も搭載されている。正常時・異常時の波形の重ね合わせなどもできるため、トラブル原因の特定が容易になる。

また便利なのは、動画・変数・プログラムという三種類のデータを同期して分析できることだ(トップ画像を参照)。たとえば、変数プログラムを再生して異常が見つかったとき、同じ時刻の動画データを再生すれば、設備に何が起きていたのかを確認することができる。

変化点検索

製造現場を支えるPLCの新機能、「PLCドラレコ」(オートメーションプレイバック機能)とは何か?
変化点検索の画面。左上が動画再生、右上が変数の変化を表したプレイバックチャート、左下がラダープログラムだ。

変数データは機械の動作などに対応している。そのため同じ動作を続けていると変数は変わらないが、動作が変わると変数も変化する。そこで、オムロンのPLCドラレコには変数の値が変化した瞬間を検索する「変化点検索」の機能が備わっている。たとえば、「10」などの想定される変数の値(つまり定数)を検索し、その際の設備の状態や変数のズレを確認することで、トラブルの原因を特定することができる(上の図)。

出力要因検索

PLCは、センサーやスイッチなどの外部からの入力情報に対し、設計者のプログラムにもとづいた計算を実行し、その結果を表示灯やリレー、モーターなどの機器を介して出力する。そのため、出力に問題が生じた場合、その前のプロセス(回路)を遡ることで、原因を特定することができる。そのための機能が「出力要因検索」である。

製造現場を支えるPLCの新機能、「PLCドラレコ」(オートメーションプレイバック機能)とは何か?
出力要因検索の画面。

具体的には、出力に問題があった回路を検索して、ツリー上に表示する(上の図)。そのツリーを根元に向かって一つずつ遡ることで、原因を特定できる。たとえば、想定された出力がない箇所の回路を遡ると、コンデンサー(接点)の出力がオンになっていなかった。さらにその原因を遡っていくと、この接点のオンにするためのプログラムが書かれていなかった、あるいはその接点に情報を伝えるセンサーの位置が悪い、カメラのレンズが曇っている、といった原因が見えてくる。

オムロン独自技術でPLCの制御に影響を与えない

パソコンなどを使っているとき、色々なアプリを同時に立ち上げると、コンピューターへの負荷が大きくなって動作が遅くなることがある。PLCもコンピューターであるため、従来は同じことが生じていた。具体的にいえば、ラインが稼働しているとき、PLCは制御をしている。その最中にPLCドラレコを起動すると、コンピューターの負荷が大きくなってPLCの制御速度が低下してしまうという問題があったのだ。

そのため、従来PLCドラレコを使うときはPLCの稼働を止めている(設備を動かしていないときに使用する)というユーザーも多かった。たとえば、現場では「PLCドラレコを使うとタクトタイムが20%延びる」、「大規模装置でドラレコをONにしたら装置が故障した」といった声も聞かれている。

オムロンが新たに開発したオートメーションプレイバック機能は、この課題を克服した。PLCの制御と同時に使用しても、PLCの制御速度を低下させることがないのだ。ユーザーはいつでも必要なときにPLCドラレコ(オートメーションプレイバック機能)を起動し、トラブルの原因分析に取り組むことができる。

以上で、オムロンが2023年7月27日に提供を開始したオートメーションプレイバック機能(PLCドラレコ)について解説した。興味をもった人は、下記のオムロンの製品紹介ページにアクセスしてほしい。

 

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