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日立、気候変動に伴う浸水リスクをシミュレーションする環境省の開発途上国向けWebサービス「FloodS」を構築

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近年、気候変動により引き起こされる豪雨、海面上昇などによる浸水が世界中で起きており、アジア太平洋地域をはじめとした多くの開発途上国においても、浸水リスクの把握と適応策の検討、実施が喫緊の課題となっている。

こうした中、株式会社日立製作所(以下、日立)は、環境省の請負事業のもと、アジア太平洋地域をはじめとする開発途上国での利用を想定した、浸水予測Webサービス「FloodS」を構築し、2023年11月30日から環境省が無償で提供を開始する。

「FloodS」は、河川氾濫、降雨、高潮による浸水状況の時間変化を高速にシミュレーションし、Webブラウザの地図上に予測結果を表示するものだ。

シミュレーションしたい河川氾濫・降雨・高潮といった浸水リスクに応じて水深や降雨量などの条件を入力することで、Web上でリアルタイムに地球全域の予測結果を見ることができる。

また、盛土、トンネルや堤防などの対策を講じた場合のシミュレーションも可能だ。

特に、過去20年以内に大規模な河川災害が発生した地域、高潮や今後の海面上昇による浸水の発生リスクが高い地域については、より精緻なDEM(数値標高モデル)を導入しているため、詳細なシミュレーションを実施できる。

その他の地域についても、標高データ(MERIT DEM)と河川地形データ(MERIT Hydro)をあらかじめ導入しており、全世界の河川流域や沿岸域で簡易なシミュレーションが可能だ。

「FloodS」は、気候変動に脆弱なアジア・太平洋諸国などの行政官向けに提供され、水の動きやそれに伴うさまざまな現象である「水文」の専門知識を持たないユーザであっても浸水シミュレーションが可能だ。

これにより、開発途上国における気候変動による浸水リスクの把握や、今後数十年~数百年の気候変動による悪影響を軽減するための適応策の立案を支援する。

なお、「FloodS」の運用は、アジア太平洋地域で気候変動適用の研究拠点として活動する、アジア工科大学のアジア太平洋地域資源センターが担う。

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