NECフィールディング株式会社はこれまで、約30年にわたり保守支援システムを運用しているが、顧客ごとの異なる保守要件への柔軟な対応やシステム検証に時間を要し、特にマルチベンダ製品の保守を求める顧客のコンタクトセンター開設には、6か月以上の期間を要していたのだという。
また、支社ごとに保守支援システムが構築され、契約内容や保守実績が分散管理されていたため、顧客全体における保守実績の把握や分析に時間を要するなどの課題があった。
こうした中、NECフィールディングは、株式会社セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)の「Service Cloud」および「Field Service」を活用し、クラウド上に構築した新たな保守支援システム「CS-Force(シーエス・フォース)」の運用を開始したと発表した。
「CS-Force」は、Salesforceの「Service Cloud」および「Field Service」を活用し、複数のシステムを集約することで、契約内容などの情報を一元的に管理することができるシステムだ。
これにより、顧客の機器運用に関する改善提案など、提供サービスの質の向上を図る。
また、システムをシンプル化することで、新規コンタクトセンタの開設に要する時間を従来の6か月から2か月へと短縮した。
さらに、モバイル端末を用いた過去の作業履歴の参照を可能にすることで、現場での作業時間を削減するとともに、レポート・ダッシュボード機能による顧客サポート状況の可視化と課題の把握を可能にした。
セキュリティ面においても、Salesforceの「Service Cloud」および「Field Service」が政府や国防レベルの情報システムセキュリティ評価制度(ISMAP)の要件を満たしており、信頼性を確保している。
加えて、生成AI機能およびAIにより、コンタクトセンターにおける顧客との会話内容が自動要約され、蓄積された情報に基づいて保守員や機器部品が自動的に割り当てられる。
他にも、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどとの連携も可能だ。

なお、「CS-Force」の開発は、NECフィールディングの情報システム部門だけでなく、現場の保守員の意見も積極的に取り入れて開発されており、現場で発生する事象がシステムに反映されているとのことだ。
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