東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が助成するプロジェクトの一環で、洋上風力設備の運転・保守の高度化事業を進めている。
そして本日、四国風力発電株式会社の僧都(そうず)ウィンドシステムで実証試験を実施し、ドローンによる15MW級風車の翼(ブレード)の完全自動点検に必要な技術評価を完了したことを発表した。
この実証では、点検用ドローンが飛行しながら、風車位置からナセルの向き、ブレードの静止位置を自ら検出する。また、波や風で揺れる風車ブレードに自動追従し、点検用の画像を撮影する完全な自動点検を実現するための要素技術の検証を行った。(トップ画参照)
従来ドローンでの点検は、風車の正面位置などのスタート地点へ、ドローンを手動で移動させる必要があった。今回、ナセルの向きとブレードの静止位置を把握できたことで、スタート地点への移動も自動化され、完全自動点検に必要な技術評価を完了した。
その結果、点検用ドローンが飛行しながら、風車の位置や向き、ブレードの停止位置を自ら検出し、併せて波や風で揺れる風車ブレードを自動追従し、画像を撮影する完全自動点検のめどが立ち、2024年2月までに完全自動点検完了を目指すとしている。
今後は、2024年2月に実施される検証で、風車全体を見渡せる位置に手動でドローンを移動させてから風車方位の検出を行う従来の手法ではなく、ドローンが旋回飛行しながら画像を撮影し、同時に処理することで正面位置とブレードの角度を認識し、自ら移動して検査する完全自動点検の実現性を確認する予定だ。
東芝ESSは、今回開発した技術をもとに、2024年2月までにドローンを用いた風車外観点検の完全自動点検実現を目指すとしている。
また、ナセル内部点検を遠隔で実施するシステム開発および、東芝ESSのエネルギーIoTサービス「TOSHIBA SPINEX for Energy」上での風車健全性分析サービス提供により、浮体式洋上風車の運用・保守コスト20%削減を目指す計画だ。
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