五洋建設株式会社と株式会社プロドローンは、離着水と海上航行が可能な海洋観測ドローン「Penta-Ocean Vanguard-DroneAqua」(以下、POV-DA)を開発した。
「POV-DA」は、高精度GNSS、スラスター、測深ソナーを搭載した離着水が可能なドローンだ。着水した「POV-DA」の現位置と水深は、リアルタイムに陸上の操作画面で把握することができる。
また、操作画面上で観測地点の平面位置を指定すると、海上航行させたり、波や流れがある中で観測地点に定点保持させたりすることも可能だ。これらの機能を用いて、陸上からの操作で効率的に水深測量や波浪観測を行うことができる。
これまで、防波堤や岸壁などの築造工事の施工管理では、水中の施工状況を直接確認できないため、測量船を用いた深浅測量やレッド測深などが行われてきた。
そこで「POV-DA」により、測深時間を短縮するほか、測深データを無線で操作画面上にリアルタイムに表示することで、水中作業の進捗状況や土砂投入量の過不足を把握することができるようになった。なお測深性能は、一般的な深浅測量方法と比較して±10cm程度の差異であることが確認されている。
また、「波浪観測機能」では、GNSSデータから算出した波高・周期を操作画面上にリアルタイムで表示することで、現地の波浪状況を把握することができるようになった。「POV-DA」の観測結果は、波高計による観測結果との差が平均すると10%以内であることが確認されている。
さらに「POV-DA」は、上空からの空撮も可能であるため、災害時には陸上・水中双方の状況を把握することが可能だ。
今後は、多項目水質計や採水器の搭載など、海洋計測の機能拡張を進め、海上工事における海域環境の保全・調査にも活用の場を広げていくとしている。
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