世界全体のCO2の約 2.5%を排出する海運業界においては、船舶の燃費性能の向上や海洋環境保護が求められている。そのため、燃費悪化の要因となる船底付着物の管理や船底年次点検義務化の機運が高まってきている。
また、従来の船底点検は、ダイバーによる目視点検が行われてきたが、今後人材不足の影響を受けることが予想されている。
こうした中、KDDIスマートドローン株式会社、株式会社プロドローン、株式会社國森の3社は、内閣府の自律型無人探査機(AUV)利用実証事業に採択され、2024年8月より水空合体ドローンを用いた実証を開始する予定だ。
水空合体ドローンは、空中ドローンと水中ドローンが合体し、モバイル通信による遠隔操作で、空を飛び水に潜ることができるドローンだ。音響測位装置により、衛星利用測位システム(GPS)が使えない水中でもドローンの位置情報が分かる。
今回の取り組みでは、遠隔船底点検を実施し、その手法と効率性を検証することにより、ドローンによる効率的な船底点検手法のルール化・実用化の実現に向けて取り組む。
遠隔・自律航行するドローンで撮影し、AIで解析を行うことにより、船底点検作業全体の効率化、均質化、危険作業削減の実現を目指す。また、社会実装を前提に、日本海事協会と共に実用化に向けて船底点検のルール作りを行うとしている。

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