KDDIは、ドローンビジネスをフルサポートするパッケージサービス「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~」の提供を開始した。
同サービスは、ドローンを活用して新しいサービスを展開したい、あるいは業務効率化などを図りたいという法人顧客を対象としており、ドローンを扱った経験が無くても安心してドローンビジネスを始められるというところがポイントだ。
パッケージには、ドローン機体や損害保険、飛行許可申請などのサポート、フライトトレーニングが含まれるほか、運航管理システム、操縦代行・空撮サービス、空撮サービスのレポート作成や3D画像計測、映像中継といった運用サービスまで含まれている。パッケージ価格は5,597,000円 (税抜)~。
また、顧客の要望に応じてパッケージの中から単体で利用できるオプションメニューや、通信モジュール (電波法に基づく実用化試験局の免許取得が必要)を搭載したドローンの飛行を試験的に可能とするオプションメニューもある。
以下がパッケージに含まれる8つのサービスとなる。
目次
1. ドローン機体
空撮や測量、構造物の保守・点検、物資配送など顧客の要望に応じた産業用ドローンの機体を提供。
2. 損害保険
機体が破損した際の機体の修理費などを補償する保険 (動産総合保険)、および対人・対物事故を起こしてしまった際の第三者からの賠償を補償する保険 (施設賠償責任保険)を機体購入時にセットで提供。
3. 飛行申請サポート
ドローンを飛行させるためには、国土交通省へ飛行申請の提出が必要な場合がある。飛行申請サポートでは、KDDIが顧客の飛行申請をサポート。
4. フライトトレーニング
ドローンを安全に飛行できるよう、少人数制での座学講習のほか、運用や操縦に関する実践的なトレーニングを実施。
トレーニング内容は以下の通り(一例)。
- 講習内容 飛行原理と構造の理解
- 安全ガイドラインの理解
- 安全に関する事項の理解
- 関連する法律の理解
- 運用者の役割理解
- 運用トレーニング 安全な運用方法の習得
- 現場運用時の準備工程の説明
- 操縦トレーニング 実機操縦感覚の取得
5. 運航管理システム
運航管理システムを使用することで、ドローンの自動航行及び指定ポイントでの撮影や録画が可能。なおクラウドサービスによる提供のため、デバイスを問わず、機体情報やフライト情報の登録/編集ができる。
6. 操縦代行・空撮サービス
国土交通省が認可する認定機関のライセンス保有者 (認定フライヤー)による操縦代行や空撮サービスを提供。ドローンを操縦するためには、10時間以上の飛行経歴や一定以上の操縦スキルが問われる場合がある。
7. 運用サービス (レポート作成・3D画像計測・映像中継)
レポート作成
ドローン空撮データ以外に、気象条件や撮影条件などを整理した報告書を作成して提供。
3D画像計測
土砂崩れの緊急対応時などにドローン空撮および画像解析ソフトを使用することで安全かつ迅速に土砂量を計測可能。
映像中継
モバイルネットワークなどを活用することで、空撮映像を遠隔地とリアルタイム中継する。災害対策時の本部連携やライブイベント中継等に活用可能。
8. 通信モジュールの提供
通信モジュールを搭載したドローンの飛行を試験的に可能とするオプションメニュー。ドローンに通信モジュールを搭載するためには電波法における実用化試験局の免許手続きが必要であり、提供にあたってはあらかじめ飛行内容について協議することが前提となる。
なお、ドローンとコントローラーの通信は2.4GHz帯域等で、LTE通信モジュールを使った通信は測定データの通信等で利用可能。
【関連リンク】
・「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~」詳細
無料メルマガ会員に登録しませんか?

技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。