CES2022の見どころ ーCES 2022 Tech Trends to Watch

今年は、ラスベガスとオンラインのハイブリッドで開催されることとなった、CES2022。CESを主催するCTA(Consumer Technology Association)のマーケットリサーチ部門のVPである、Steve Koenigが登壇し、今年の見どころを紹介したので、ダイジェストで紹介する。

米国のコンシューマーテックでは、ハードウエア、ソフトウエアともに9.6%程度の伸びを示した2021年だが、2022年の予測としては2.8%の成長を見込んでいるという。2021年はコロナ禍ということもあって、Netflixなどが見れるスマートテレビやビデオゲームなどが顕著な伸びを示していて、これ自体2022年も成長すると予測されているが昨年ほどではないという見方だ。

ステイホームに関するプロダクトが顕著な伸びを示した

実際、2021年末時点で、Netflixは21.4億、アマゾンプライムが17.5億人のサブスク登録者を獲得している状況だという。

また、ステイホームを受けた、新しいサービスも続々登場していて、特にストリーミングだけでなく、ウエルネス系やフードデリバリなどの分野で顕著な伸びを示しているのだ。この辺の肌感覚はみなさんと同じではないだろうか。

グローバルのスタートアップへの投資も、2020年の第三四半期から2021年の第三四半期までの1年で、およそ倍の投資額になっているのだという。

スタートアップへの投資規模

コンシューマテクノロジー、注目の分野

注目の分野としては、「リテールテック」「フィンテック」「ヘルスケア」が挙げられた。

リテールテックの分野では、フィラデルフィアに拠点を起き、日用品をわずか30分で届けてくれるサービスで急成長している「goPuff」を、フィンテック分野では、民間の取引市場を立ち上げたシリコンバレーのスタートアップ「Carta」を、そしてヘルスケアの分野では、AIを活用した医療現場の改善を行う「Olive」が取り上げられた。

しかし、一見好況に湧いているように見えるテック業界だが、ご存知の通り深刻な半導体不足に陥っていて、現在では5ヶ月待ちが当たり前の状況でもある。

この状況に対し、インテルは950億ドルを投じて4つの工場を、サムスンは2050億ドルを、TSMCは1000億ドルを投じると発表している。しかし、あくまでもこれからの話であり、当面はこの状況が続きそうだ。

そして、5Gやクラウド環境、IoT/AIといった様々な技術環境が整いはじめていて、AIに関してはコアなロジックから様々な実用的なシーンでの活用が進んでいるという。

特に、会話をするAIや車などの自動化システム、フードテックといった領域についての広がりがあるということだ。

一方、現状のコンシューマ向けのAIの活用状況はというと、依然としてレコメンドやロボット掃除機、健康のアドバイスといった従来からあるものが主流という状況は変わらないようだ。

コンシューマ向けAI

また、昨年話題となった、メタバースにも言及された。

メタバースには「ハードウエア」「ゲームやソフトウエア」「暗号資産」という3つのアプローチがあるという見方を示した。暗号資産にはデジタルコインやブロックチェーンなども含まれている。

今後多くのビジネス領域でxRとの関わり合いを持つと述べ、特に「バーチャルミーティング」「シミュレーション、デジタルツイン」「リモートコラボレーション」「没入型デザイン」「マーケテイングとセールス」の領域の市場性が紹介された。

メタバースの市場性

見るべきトップトレンド

最後に、今年のCES2022の見るべきトップトレンドについて紹介があった。

一つ目が「トランスポーテーション」、つまり移動の領域だ。EVはもちろんのこと、マイクロモビリティや21世紀型のロジスティクスにも注目をしたいところだ。空飛ぶ自動車なども数年前から開発が始まっているので、その現状を知りたいところだろう。

二つ目が「スペーステック」。先日もとZOZOの創業者である前澤氏も宇宙旅行をして話題となっていたが、まさに、この宇宙旅行元年になるのではないかということだ。

三つ目が「サステナブルテクノロジー」。代替エネルギーだけでなく、スマートシティやスマートホームといった文脈でも、サステナブルがキーワードになってくるだろう。

最後に四つ目が「デジタルヘルス」。これまでのスマートウォッチとスマートフォンを使うタイプのものだけでなく、各種センサーも登場しているし、メンタルヘルスの領域も注目されているということだ。

特に、メンタルヘルスの領域についてはオンラインカウンセリングやウエルネスアプリ、睡眠トラッカーなど従来のものだけでなく、バーチャルケアなる分野も登場しそうということだ。

大枠の方向性は予想通りだったのではないだろうか。ということは、今年のCES2022は、コンシューマープロダクトや産業向けのテクノロジーにおいて、方向性が定まった前提で、どれくらい「テクノロジーが深まっているか、実用的なところに達しているか」を追うことが重要になりそうだ。

今回、オミクロン株の影響で大手企業を中心に出展を取りやめる決定をしているが、会場には2200もの企業が出展していて盛り上がっているようだ。

個人的にはオンライン参加となってしまうが、できる限りのレポートをしていきたい。

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