独立後につくった『民芸スタジアム』『グーチョキパーダラピン』『アンガーマネジメントゲーム』
高橋: 独立してから自分が携わったゲームは4種類ありますが、そのうちのひとつに『民芸スタジアム』という、全国47都道府県の民芸品を47枚のカードにして、戦わせあうカードゲームがあります。
遊戯王とかだったらモンスター名を言うわけですが、それを「コケシを召喚だ」などと言って戦っているうちに、民芸を覚えることができるゲームです。全部、縁起になぞらえた能力を持たせているので、遊んでいるうちにそれもわかってきます。
このゲームは「バカゲーかと思ったけどめちゃくちゃ面白い」と非常にゲームファンから好評で、大企業では絶対できないだろう、というようなゲームを、満を持してやりたい放題やっています。
小泉: そういうのは頼まれる仕事なのでしょうか?自分で投資するのでしょうか?
高橋: 2パターンあります。カードゲームは金型などが必要なく、小ロットで作れる紙モノなので自社で作っています。大きいものだと自社で作る体力がないので、いろんな会社と一緒にチームに入らせてもらって、自分も企画出して作るとか、もともとあったネタを一緒に作ったりします。
小泉: 他には、どんなおもちゃを作ったのでしょうか?
高橋: 『グーチョキパーダラピン』というゲームです。通常のジャンケンってグーチョキパーの3種類ですが、そこにダラとピンを追加し5種類にして、より戦略性のあるジャンケンを発明しました。
少しルールを説明すると、ピンはデコピンで一番強いので、全部に勝っちゃいます。一方、ダラは弱弱しいので全部に負けちゃうのですが、唯一ピンに勝てます。偶然デコピンをよけちゃった、みたいな。ちょっとやってみましょうか。
詳細の遊び方はこちら: グーチョキパーダラピン 公式HP 変わったジャンケン/変なジャンケン
小泉: これけっこう盛り上がりますね!
高橋: そうなんです。非常にアナログですが、これが自社で作っているゲームです。
そして、開発のお手伝いをしたのは、この『アンガーマネジメントゲーム』です。日本アンガーマネジメント協会という、無駄にイライラしたりキレたりしないように、怒りを上手にコントロールするメソッドを教えている協会と一緒に作りました。ゲームを通して怒りを遊ぶ、みたいなお手伝いをしています。
これは3人以上用のゲームで、怒るかもしれない出来事が書いてあるカードがたくさんあります。たとえば、『恋人が、店の店員に対して横柄な態度をとる!』とか『部下に大切な話をしていたら、聞いていないような態度でスマホをいじり始めた!』などがあります。
これを親が引いて、それに対してどの程度怒るか、親が0~10まで出します。10がマジ切れ、5が真ん中くらいです。メンバーが時計回りで出していきますが、「きっと小泉さんは懐が広いから1だろう」とか、「きっとマジ切れして10だろう」とか推測していきます。そして一番親の数字に近かった人が得点をゲットし、5点取ったら勝ちです。
これをやってると、同じことに対して怒る人と怒らない人が出てきます。それを話していると、ゲームが終わったあとに「結局そんなに怒らなくていいんじゃない?」という気持ちになるという不思議なゲームです。
普段、怒りポイントって話す機会がないので、割とはずかしいことをゲームを通して自己開示していることになります。その時点でどんどん仲良くなっていきます。
小泉: これ会社でやるとみんなのことが理解できて、いいかもしれないですね。
高橋: そうですね。アイスブレイクやチームビルディングにも使えると思います。
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