一般社団法人ブロードバンド推進協議会 DEMO DAYレポート

一般社団法人ブロードバンド推進協議会に、スタートアップベンチャーの支援プログラム、Field TechUP Programというが立ち上がり、イノベーションに関わる様々な側面を支援しつつ、2015年5月より4ヶ月、12回のセミナーを行いつつ、IoTを作る活動を行った。DEMO DAYでは、合計8チームがIoT製品をデモレベルで発表し、スポンサー賞とBBAからグランプリ賞が発表された。

1. スマート試供品棚 PresentSquare

一般消費者に対して、試供品を渡す際、渡す側には人手がかかり、試供品を受け取る側も面倒なアンケートを書かないといけない。PresentSquareは、これを解決するソリューションだ。

試供品棚に近づくとスマートフォンのアプリが起動し、試供品を受け取れる状況になるという「スマート試供品棚」を着装したということだ。

試供品棚のコアバリューは、無人取引を支援する、つまり、個人宅の前や、様々なシーンで試供品配布ビジネスが展開できると考えているということだ。

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これは施策品だが、実際はこのようなものが試供品棚となり、登録されているスマートフォンが近づくとロックが開き、試供品を一つ取れるようになるということだ。

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2. こねる子はいい子 Team5

公園にいるのにスマートフォンで遊んでいる子供たち、おもちゃもデジタル化がすすんでいるが、子供にはアナログなおもちゃで遊ぶことも重要ではないか?ということからデジタルねんどをが生まれた。

ふるくから遊べるねんどにライトがついたり、モーターでねんど細工が動かせたりする。本体にLEDをいれたり、振動や、サウンド、モーターなどの機能をねんどに入れ込め、スマートフォンでも操作ができるというものだ。

将来的には、クラウドと連携し、親御さんとのやりとりも実現していくことも想定しているということだ。

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この小型LEDやモーターが入ったモノをねんどにいれて遊ぶことができる。スマートフォンで操作することもできるので、作ったあとも動かして楽しめる。
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実際にLED部品をねんどに埋め込んだ状態がこれだ。

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3. 調味料から健康に ちょみけん ちょみ研

塩分の1日における適正な摂取量は6gだ。調味料に入っている塩分量は、薄口醤油でもおおさじ2.9gと案外調味料における塩分量は多い。
一方で、どれくらい使ったか?どれくらい塩分があるのか?ということを知るのは難しい。
塩分だけでも管理するのは大変なのに、糖分や脂質のことも考えると頭が痛い。

センシングとアドバイスをそなえた、「ちょみけん」は、普通に料理をするだけで調味料の利用状況がわかるのだ。

仕組みは、圧力センサから調味料の消費量をサーバに自動送信する。その情報をアプリに連携され利用状況がわかるというものだ。

今後は、ちょみけん台を複数つなげることができ、いろんな調味料を測れるようにできるものだ。

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調味料を使った量を把握することで、塩分摂取量をロギングするという仕組みだ。

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4. レコーダー後付け式NFC勤怠ロガー Fujiウッドサポート

現在、かなりの数の中小企業が、種菌管理にタイムカードをつかっている。社労士は、中小企業からFAXで送られてきたタイムカードの画像をエクセルに起こしている、というような状況だ。

実際様々なデジタルソリューションはあるものの、実態としては未だにタイムカードがかなり現役だ。

そこで、NFCカードをタイムカードの紙のようにつかうことで、NFCカードリーダに差し込むと、データをクラウド連携する、カード自体にも印字される、社労士はクラウドにアップロードされたデータとして入手することができるというものだ。

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タイムカードでの勤怠情報を手入力する手間を最小化する。

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5. 不在票ポストPosTel gyARaTic

PosTelはインターネットにつながったポストで、物流の効率化や人員、経路の最適化を実現するものだ。
仕組みは、ものを配送する際、配達物に所定のQRコードを貼り付ける。ポストに投函されるとそのQRコードを読み取り、投函された事実をSMSで伝える。
ユーザはすぐに再配達の依頼ができるというものだ。

現状は、1つの配達に対しての再配達は現状複数回行われているので、PosTelによって再配達回数は減ると考えているという。

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郵便物に所定のQRコードがついていることが前提となるが、郵便受けがそれを認識して配達物が届いたことを利用者に通知、再配達のコストを低減できるという。

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6. ダイエット支援ロボ NAISTダイエットイノベーション推進企画部

日本人は肥満度は低いのに、ダイエット意識はとても高い。数あるダイエット方法を試しても上手くいかないケースが多い。
夜中にカップ麺が入っている棚を開けるとセンサーが感知してロボットが注意喚起するというものだ。

Enoceanで冷蔵庫の開閉時のセンサー用の電力を取得して、ロボットは開閉情報をLTEモジュールを使ってクラウドに情報をアップロードする。
クラウドに上がった情報をアプリで見ることができるというものだ。

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試作機はねんどでつくったということだが、ドアの開閉はenoceanでつくられているので開閉センサーには電力がいらいない工夫などもしている。

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7. ホームサービス自動化 CaSy IoT

この箱は、温度やCO2, 照度など様々な情報をとり、BlueMixを通して情報を取得できるというものだ。
箱の中には様々なセンサーが入っていて、いつ窓を開けたか?お昼ご飯を食べたか?いつ睡眠したか?といった情報を取ることができる。

クラウドに蓄積されたログデータを用いて、所定のアクションをアプリに設定することで、家の状況を様々なアクションに結びつけることができる。

例えば、見守りの分野で24時間家の中で誰も動いた気配がなければ、メールで家族に通知するなどという利用シーンを想定しているとのことだ。

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ただの箱のように見えるが、実際は様々な家の状況をハンドリングするセンサーがはいっていて、置くだけで様々な情報を取得することができる。

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8. アクアポニック農法 x IoT Plannet 土井さん

日本はこのまま外国からの輸入に頼り続けるのか?農業人口が激減しているし、日本は食料自給率も低い。
一方世界は人口は爆発して増加の一途なのに、世界に頼り続けていいのかと考えている。

農業の方法で、アクアポニックスというものがあり、これは魚の養殖と野菜の栽培を一緒にやるという農法だ。
魚に餌を与えると、アンモニアが発生する、そのアンモニアを肥料に分解し、野菜が育つという循環で野菜を育てるということだ。

アクアポニックスは、魚の共食いやこばえの発生、苔の発生など、管理を十分にやらないとアクアポニックスは成功しない。

そこで、Plannetというものをつくり、観測センサーで温度や水温、Webカメラでの管理、魚に餌をやる間隔などをコントロールする。

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唯一高校生として登壇した土井さん
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上部は植物を育て、下部で魚を育てる。どちらもきちんと管理しないといけないので、様々なセンサー類を駆使して管理ができるようになっている。

 

スポンサー賞

・IDCフロンティア賞 副賞:IDCFクラウド10万円相当分
ちょび研 健康に留意するという点が面白かった。

・沖電気工業賞 副賞:OKI A4カラープリンタ COREFIDO C312dn
FUJIウッドサポート 逆境にめげず、良いプレゼンだったという点が評価された。

・NECエンジニアリング賞 副賞:スペクトラムアナライザ SpeCat2
NAISTダイエットイノベーション推進企画部 夢があり、無線の技術についても紹介されていたことが評価された。

・TOKAIコミュニケーションズ賞 副賞:クラウド環境10万円相当分
gyARaTic 実生活でこれがあったら本当に便利だなという点が評価された。

・ISAO賞 副賞:PlayStation4 & ゲームソフト
Team5 世の中の課題を解決しようという意識が強いことに感心した、楽しい、面白いを実現したことが評価された。

・NTTドコモベンチャーズ 39works賞 副賞:FaBo&Makeblock
if-she 試供品というものは売る側も手に取る側もわくわくするというところが評価された。

・ハタプロ賞、ディレクター賞 副賞:IoTプロダクト製品化支援
CaSy 製品化が近いというところが評価された。

グランプリ賞

副賞:20万円
Team5

 

村上審査委員長より、フレッシュなプレゼンが聞けてよかった。みんな短期間にがんばったと評価された。

プロトタイプを作るにあたって、Fieldにでて課題を明確にし、プランニングしている点はとてもよいと感じた。

Fieldの取り組みとして、ビジネスモデルがわからない、どうやって事業化するかがわからない、といった様々な視点で学べたと思う。

これから、製品化、事業化をして羽ばたいて欲しいと述べた。

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審査員

村上 臣 氏  ヤフー(株) 執行役員 兼 CMO/ソフトバンク(株) 事業開発統括 事業開発本部 副本部長
村上 憲郎 氏 (株)村上憲郎事務所 代表取締役/(株)エナリス 代表取締役社長
遠藤 諭 氏  (株)角川アスキー総合研究所 取締役 兼 主席研究員
西牧 哲也 氏 BBA理事/(株)IDCフロンティア 取締役 技術開発本部 担当役員
古谷 宗章 氏 BBA理事/(株)電通 第12営業局 ビジネス・インキュベーション部長
宮川 由香 氏 BBA理事/ 沖電気工業(株) キャリア営業本部長
杉村 諭 氏  BBA理事/(株)TOKAIコミュニケーションズ 法人営業本部 首都圏営業一部 部長
中村 圭志 氏 BBA会員/(株)ISAO 代表取締役
木暮 祐一 氏 BBA利活用部会 部会長/青森公立大学 経営経済学部 地域みらい学科 准教授/モバイルジャーナリスト
清水 弘一 氏 BBAイノベーション部会 部会長・Fieldプロジェクトディレクター/リンクトブレイン(株) 執行役員/福岡市スタートアップカフェ アンバサダーコンシェルジュ
久田 康弘 氏 BBA Fieldプロジェクトディレクター/(株)Liquid 代表取締役
伊澤 諒太 氏 BBA Fieldプロジェクトディレクター/(株)ハタプロ 代表取締役

 

参考: 一般社団法人ブロードバンド推進協議会 Field Tech Up Program

 

開始からわずか4ヶ月という短期間で、すべてのチームがデモまで持って行っているというのはすごい。アイデアも日常社会にある課題を解決するということに着目しているし、プレゼン内ではビジネスモデルや競合との差別化などを発表するチームも多かった。

副賞としても事業化の支援がされたり、実業をされている経験豊富な企業の方からのアドバイスがいただけたりするという機会は、今回の参加者にとっては何事にも代えがたい経験になったのではないだろうか。

今後日本でも、こういったオープンイノベーションの起きそうなイベントが多く開催され、フレッシュなアイデアを生かした事業が生まれることが楽しみだ。

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