大きく変わる物流業界、求められるのは汎用プラットフォーム
小泉: ロジスティクス向けのソリューションについて詳しく教えて頂けますか。
北川: ロジスティクスではまず、ドライバーがどのように運転しているかなど、車両の管理が行えます。
物流の場合は、ドライバーの運転時間が長く、労働環境があまりよくない場合も多いのです。その中で物流企業は、何の業務にいちばん時間を使っているのか、荷物を待っていたのか、運転していたのか、休憩していたのかなどの乗務記録を国交省に報告するのが義務化されています。そうした課題に当社のサービスが対応できます。
次に「ルーティング」。どのような経路で荷物を運ぶのが効率的であるかを、データをもとに提案します。
荷物を運ぶにあたっては、たとえば「3時までに来てください」という場合と、「2時半から3時半の間にとりあえず荷物だけ置いておいてくれればいい」などといった複雑な条件分岐があります。
そういった条件を入力すると最適なルートを導き出すという機能を、今まさに付加しているところですが、ゆくゆくは倉庫内のデータと連携するなど用途を拡大していきたいと考えています。

小泉: 倉庫内のデータと連携しているソリューションというのは、既に世の中にあるのでしょうか。
北川: ないと思います。物流の倉庫では、WMS(倉庫管理システム)というシステムが使われている場合が多いですが、倉庫ごとにカスタマイズされてしまっていて、統一のプラットフォームになっていないのが実際です。
業界トップの大手企業のように、自社専用の統合されたシステムをつくったという事例はあるものの、汎用的なプラットフォームとなると、ないですね。
小泉: 色々な分野で、システムの「民主化」ということが言われています。
北川: そうですね。とくに物流は大きく変わっていくと思うのです。
ヤマト運輸や佐川急便、日通といったトラックを数万台持っているような企業は他にほとんどなく、100台以下の中小企業が9割以上です。その中で今、物流業界を統廃合していこうという動きも進んできています。
5台くらいの台数であればそもそもシステムは要らないのですが、統廃合により100台などの規模の会社が増えてくると、私たちが提供するような汎用的なシステムが求められてくると思います。
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。