会話型AIを開発するニュアンス・コミュニケーションズ(以下、ニュアンス)と、感情認識AIを開発するAffectiva, Inc.は、クルマのエクスペリエンスをさらに人間らしくするオートモーティブ・アシスタントの共同開発を発表した。
マルチキャビンAI検知ソリューションである「Affectiva Automotive AI」は、ニュアンスの会話型AI技術を応用したDragon Driveオートモーティブ・アシスタント・プラットフォームとの統合利用が可能となる。統合されたソリューションは、ドライバーと同乗者の表情と声から様々な認知的および感情的状態を理解し、その状況に最適な動作を行う、インタラクティブなオートモーティブ・アシスタント機能を提供。
Affectivaの技術をDragon Driveに統合することで、オートモーティブ・アシスタントが検知し、対応できる文脈や感情、認知データの幅と深さが広がる。Affectiva Automotive AIは、表情から喜び、怒り、驚きなどの表現を、声からは怒り、没頭、笑いなどの状態をリアルタイムで測定。
また、Affectiva Automotive AIは認知的な負荷や怒りなどによる身体的あるいは精神的な注意散漫の状態を検知するだけでなく、あくび、まぶたの状態およびまばたきの回数等から眠気の徴候も指摘するという。
ニュアンスのDragon Driveは、アウディ、ダイムラー、フィアット、フォード、GM、ヒュンダイ、SAIC、トヨタなどに採用され、40ヶ国語以上で2億台以上のクルマへ高度にカスタマイズされた固有のブランド・エクスペリエンスを提供している。対話型AIを搭載したDragon Driveによって、クルマのユーザーはジェスチャーやタッチ、視線検知、自然言語理解(NLU)で強化された音声認識など、言語的および非言語的なモダリティに基づいて乗客との対話が可能になる。さらに今回のAffectivaとの提携により、感情と認知状態の検知機能が加わる。
近い将来、Affectivaとニュアンスの統合ソリューションは、発話や表情の感情表現からドライバーや同乗者の感情や動作をさらに学び、理解するオートモーティブ・アシスタントを実現するとしている。例えば、オートモーティブ・アシスタントが、声の調子からドライバーが幸せな気分であると判断すると、同じ感情表現で応答やリコメンドすることが可能になるという。
将来、このソリューションは、特に自動運転車両が行き交う環境下での安全性に寄与することが期待されている。Affectivaとニュアンスの技術を活用したオートモーティブ・アシスタントは、眠気や注意散漫の兆しがある安全でないドライバーの状態を検知し、適切に対応する。
半自動運転の車両では、運転中のドライバーに身体的または精神的に注意散漫の徴候がある場合には、アシスタントがクルマのコントロールを引き継ぎ、自動運転モードに切り替わる可能性もあるという。
【関連リンク】
・ニュアンス(NUANCE)
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