自動運転においては、運転中に遭遇しうる無限に近い状況を認識し、それらに対処する必要があるため、ディープラーニングを中心としたAIが次世代の自動運転車の開発に不可欠なツールとなっている。
本年3月18日、NVIDIAは、自動運転車の開発、学習および検証の分野において、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(以下、TRI-AD)と新たに協業することを発表した。
この協業は、NVIDIA DRIVE AGX Xavier車載コンピューターを活用する、トヨタ自動車株式会社との既存の関係を発展させたもので、NVIDIAと日本のTRI-AD、米国のToyota Research Institute(以下、TRI)の3社による開発活動を元にしている。
今回のパートナーシップに含まれる分野は以下の通りだ。
- NVIDIA GPUを活用したAIコンピューティングインフラストラクチャ
- NVIDIA DRIVE Constellationプラットフォームを活用したシミュレーション
- DRIVE AGX XavierあるいはDRIVE AGX Pegasusをベースにした、自動運転車を開発するための車載コンピューター
また、今回の協業範囲には、複数の車両モデルおよびタイプに利用可能なアーキテクチャの開発、開発と生産期間の短縮、ならびに多様な道路状況下での数十億マイルの走行に匹敵する、安全向上のためのシミュレーションが含まれている。
シミュレーションは、実際に路上を走らせる前の段階における、自動運転車向けのハードウェアおよびソフトウェアのテストと検証に有効なツールだ。
今回、TRI-ADとTRIは、シミュレーションの一部としてNVIDIA DRIVE Constellationを活用する予定だ。
DRIVE Constellationは、異なる2つのサーバーで構成された、データセンターソリューションだ。
1つめのサーバーであるConstellation Simulatorは、NVIDIA GPUで NVIDIA DRIVE Simソフトウェアを実行し、現実に限りなく近い仮想世界の中で、仮想化された自動車からセンサーデータを生成する。
2つめのサーバーであるConstellation Vehicleは、シミュレーションで得られたセンサー データを処理する。
Constellation Vehicleの運転判断はConstellation Simulatorにフィードバックされ、それにもとづいて、ビット単位の精度を持ち、タイミングも正確な「ハードウェアインザループ」テストが実現されるようになる。
このエンドツーエンドのシミュレーションツールチェーンにより、トヨタ自動車、TRI-ADおよびTRIの自動運転車の開発を支援していく。
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