高齢化問題に対応する自動バス運転実証実験
5つの自治体のうち、最初に登壇したのは滋賀県大津市の越直美氏だ。越市長は大津市と京阪バス・日本ユニシスとともに取り組む、自動運転バスによる中心市街地移動及び観光地周遊のMaaS実証実験について説明を行った。
滋賀県の県庁所在地である大津市は人口34万人の都市であり、琵琶湖と比叡山という大きな観光名所がある。
越市長によれば、大津市が「スマートモビリティチャレンジ」に名乗りを上げた目的は2つあるという。
1つは超高齢社会における新たな移動手段とすること。
大津市の人口総数に対する65歳以上の割合は約26%と日本の各地方と同様、高齢化は進んでいる。
大津市といえば、今年5月に60代の女性が運転する車が保育園児らの列に突っ込み、16人が死傷するという痛ましい事故が起きたばかりだ。それだけに市民の交通事故防止への意識は高くなっているという。
だが一方で、車移動でなければ買い物や病院にも行けない地域があるという現状があり、どうやって高齢者が安全に移動する手段を確保するのかが喫緊の課題である、と越市長は語った。
これについて大津市では今年3月、すでに京阪バスと取り組んだ大津市街地での自動運転バスの実証実験を行っている。この時は実際に大津市民が試乗し、ブレーキの具合など乗り心地をテストしたという。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。