相鉄グループの相鉄バス株式会社と国立大学法人群馬大学は2019年4月に大型バスの自動運転に関する共同研究契約を締結し、大型バスの自動運転「レベル4」による営業運転を目標としている。相鉄バスでは、就労人口の減少に伴う運転士不足への対応のひとつとして自動運転技術の導入が不可欠と考えており、より安全な運行サービスを提供することで乗客の利便性向上が図られることから、迅速な技術導入を目指している。
このほど、相鉄バスと群馬大学の実施する共同研究に群馬大学発のベンチャー企業である日本モビリティ株式会社が開発協力し、大型バスを用いた遠隔監視・操作での自動運転(※)の実証実験を、7月27日に相鉄バス旭営業所(横浜市旭区)内で、29日にはよこはま動物園正門と里山ガーデン正面入口を結ぶ約900mで実施した。
同実証実験は、日本モビリティが開発した「遠隔監視・操作システム」を旭営業所内に設置し、運転士は同システムで大型バスをハンドル型コントローラで遠隔操作しバスの運転席には人が座らない無人状態で行われた。車両には、運転席から運転する場合と同様の環境が得られるように遠隔監視用のカメラ、マイク、スピーカーを装備しており、マイクでの集音やスピーカーによる呼びかけが可能だ。
相鉄バスと実証実験では、2019年9月14日~10月14日に大型バスを使用した営業運行(里山ガーデンフェスタ実行委員会より受託し、貸し切り営業として運行)で自動運転の実証実験を実施しており、16日間で4907人が乗車した。2020年度内には営業運行で2回目となる実証実験を「遠隔監視・操作システム」で実施予定など、今後も様々な実証実験を通じて公共交通機関網強化の可能性を検証し、自動運転「レベル4」による営業運転を目指す。
なお、同実証実験は横浜市の「I・TOP横浜 路線バス自動運転プロジェクト」の一環として行われた。
※ 自動運転システム:自動車の車両制御システムの一種で、運転に必要な「認知・判断・操作」の一部あるいは全部を自動で実施可能な機能を有するシステムの総称。SAE(米国自動車技術会)によってレベル0(手動運転)からレベル5までに区分される自動運転の国際的な基準。
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