近年、災害や事故を未然に防止するための安全管理業務を行う現場において人手不足が深刻化し、現場(エッジ)の状況を遠隔からリアルタイムで把握すべく、AIを用いた自動化システムによる省人化が進んでいる。
監視カメラの画像をディープラーニングにより処理するモニタリングシステムが導入され始めているが、高精細な映像データをセンターサーバーに送って解析処理する方式では、これを送信するためのネットワークの問題もあり、高速なディープラーニング処理をリアルタイムに実現することが困難だった。
沖電気工業株式会社(以下、OKI)は、映像IoTシステム「AISION」において新たにAIによる映像モニタリングを実現した映像AIソリューション「AISION」の販売を開始した。同時に、安全走行違反車による事故防止ならびに車両走行地域の安全管理業務の負荷低減を実現する「AISION 車両センシングシステム」も販売開始した。
AISIONは、ディープラーニング技術を用いた映像データのリアルタイム解析などにより、利用者の安心・安全に寄与する。カメラやサーバーでのAIによる画像認識や解析処理に加え、AIエッジコンピューターにディープラーニング技術を組み込むことで、エッジ領域における映像データのリアルタイム解析を可能とした。
他方、AISION 車両センシングシステムは、通行車両の安全管理上の課題をディープラーニング技術で解決するもので、工場敷地内における安全走行違反車への注意喚起、一般公道におけるスピード超過や逆走の探知などにより事故防止に貢献するとともに、安全管理業務の負担軽減も実現する。
また、以下の5つの機能により、エッジ領域におけるリアルタイムな車両センシングを実現した。AIエッジコンピューターにてディープラーニング画像解析を行うことで、夜間や降雨雪時などの悪条件な環境下での認識精度向上を図る。
- トラフィックカウント
- 速度検知
- 逆走探知
- IoT機器連携
- 映像圧縮・録画
道路を走行する車両の映像より、指定場所を通過した車両数の計測が可能。
指定場所を通過した個々の車両の速度計測、時間当たりの平均速度の出力が可能。
指定場所を通過した車両の進行方向の検知により逆走検知が可能。
920MHz帯無線ネットワークを用いたマルチホップでの安定した無線通信により、子機デバイス経由で、パトランプ、スピーカー、電光掲示板などによるリアルタイムな警告が可能。
SDカードを搭載することで速度超過や逆走した車両の映像記録が可能。

これにより、工場内通行車両の安全確保に貢献するための運用ノウハウを蓄積するとともに、検知精度の向上を実現した。またその結果より、夜間・降雨・降雪などの環境下での運用も可能とし、本社工場内通行車両の安全確保に貢献した。
なお、AISION 車両センシングシステムは1セットあたり680,000円(税抜)~で、販売目標としてAISION全体で3か年累計100億円を目指すとした。
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