OSSがマルチV2Xシステム「KPEP-Aシリーズ」の機能拡充、太陽光・蓄電システム併設時のトリプル制御を実現

環境省が推進する「2050年カーボンニュートラルの実現にむけて」において、2035年までの新車販売の電動車比率100%の実現が国の目標として掲げられており、今後、電気自動車の普及は急速な拡大を見せる見込みである。電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て、貯めた電気を住宅(V2H)や施設(V2B)で活用できるようになるV2Xシステムは近年の相次ぐ自然災害に対するレジリエンス強化として注目を集めている。

電気自動車は動く蓄電池として災害発生時の停電などで非常用電源として活用でき、BCPへの貢献が期待できる。

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、今後普及が拡大する電気自動車(EV・PHEV(※1))市場に向けて、2023年5月に発売を開始したマルチV2X(※2)システム「KPEP-Aシリーズ」を2024年6月より機能アップすると発表した。

従来システムにおいても太陽光発電システムや蓄電システムと併設することは可能だったが、独立したそれぞれのシステムとして機能するため、例えば、EVと蓄電システムに貯めた電気のどちらかを指定して優先的に消費するような有効的な使い方ができなかった。

今回の機能アップでは、太陽光発電、蓄電、V2Xそれぞれのシステムをまるで1つのシステムのように動作させることができ、通常時も停電時も、EVから蓄電池、蓄電池からEVのいずれも融通が可能となる。また、EV・蓄電池のどちらから放電するかの指定ができるため、外出の際にEVの充電残量が足らないなどといった課題を解決する。後付けはもちろん、新設時に太陽光発電システムや蓄電システム(オムロン製:KPBP-A)と併設することが可能だ。

また、追加の機器は必要なくソフトウェア更新だけで機能アップを実現する。蓄電システム(KPBP-A)側も機能アップ版へのソフトウェア更新変更が必要となるが、既に設置されているV2Xシステム(KPEP-A)や蓄電システム(KPBP-A)もソフトウェア更新のみで機能アップ対応が可能だ。

さらに、太陽光発電、蓄電池、EVの充放電状態をスマートフォンで一括確認が可能となる。あわせて、充放電スケジュールの設定も一括して実施することができる。

OSSがマルチV2Xシステム「KPEP-Aシリーズ」の機能拡充、太陽光・蓄電システム併設時のトリプル制御を実現
左:V2X用パワーコンディショナ(KPEP-A)
右:EVユニット(KP-DDV)
今回の機能アップにより、太陽光発電システムと蓄電システムをすでに設置している住宅や、同時に設置する住宅に併設することでEV・蓄電池間の電力を融通する機能を高め、太陽光発電電力の自家消費やBCP対策への更なる貢献をサポートする。

※1 PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle):プラグインハイブリッド車。動力源としてガソリンエンジンと電気モーターの2つを搭載しており、専用コンセントを設置すれば家庭でも充電が可能。
※2 V2X(Vehicle to X):電気自動車と何か(X)との接続や相互連携を総称する技術。電気自動車を蓄電池として扱い、家や建物などに給電する仕組み。V2H(Vehicle to Home:住宅)、V2B(Vehicle to Building:建物)、V2G(Vehicle to Grid:地域)、V2L(Vehicle to Load:家電機器)などを指す。

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