ソニーグループ株式会社は、ヤマハ発動機株式会社と、エンターテイメント車両「Sociable Cart(ソーシャブルカート):SC-1」(以下、SC-1)を用いたMRサービス「MR:Ride」と、移動体験サービス「Zoromo(ゾロモ)」を開始した。
「SC-1」は、ソニーグループとヤマハ発動機が共同開発したモデルで、人の視覚能力を超えるイメージセンサを車両前後左右に搭載しており、360度全ての方向にフォーカスが合された映像で、周囲の環境を把握することができる。
加えて、内部には高解像度ディスプレイが設置されており、乗員が夜間でもヘッドライトなしに視認することができる。また、クラウドを介してそれら映像を確認することで、乗員の操作による運転に加えて、遠隔地からの操作による走行も可能だ。
さらに、イメージセンサで周囲を捉えていることから窓が不要となり、代わりにその領域に高精細ディスプレイを配置することで、広告の配信※や様々な映像を車両の周囲にいる人に対して映し出すことができるといったものだ。
なお、「SC-1」にはイメージセンサと共に、超音波センサと二次元ライダ(LIDAR:レーザー画像検出と測距)が搭載されている。ネットワーク接続されたクラウド側には走行情報が蓄積され、ディープラーニングで解析するとともに、車両に搭載された複数のセンサからの情報をエッジ・コンピューティングで判断し、走行をサポートする。
今回発表された「MR:Ride」は、「SC-1」に乗車するサービスで、上野恩賜公園の歴史や各所の説明を聞くことができる「バーチャル乗馬ツアー」と、上野恩賜公園が海になったかのようなMR体験ができる「上野アクアリウム」の二つから選択することができる。乗車時間は約10分だ。
「Zoromo」は、「SC-1」の車両周囲に展開される関連映像や音声を観ながら共に散策するサービスだ。
ソニーグループとヤマハ発動機は、「SC-1」による同種の新サービスを、2023年度内に国内各所(群馬県楽歩堂前橋公園、沖縄県首里城公園、海洋博公園、東南植物楽園)にて開始する予定だ。なお、「SC-1」はその体験を提供するもので、車両としての一般販売は予定されていない。
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