現在、ヒューマンエラーによる子ども置き去り事故を防止するため、各国で車内安全基準の厳格化が進められている。
欧州の車両安全性評価試験であるEuro NCAPでは、2023年よりCPD(Child Presence Detection)試験による評価を新設するなど、各自動車メーカの対応が急務となっている。
こうした中、ミネベアミツミ株式会社は、UWB(超広帯域無線)技術を活用したデジタルキーシステムに導入可能な「幼児置き去り検知システム」を追加した。
「幼児置き去り検知システム」では、UWBを用いたレーダ(物体検知)と、高精度な測距(レンジング)機能を組み合わせたシングルチップ・ソリューションを用い、幼児の置き去りを検知する。
幼児が後部座席で毛布に包まれたまま取り残された場合でも、その呼吸によるわずかな体の動きを検出し、置き去りを警告することができる。
導入方法は、スマートフォンを車の鍵として利用する「デジタルキーシステム」向けのUWBソリューションに、「幼児置き去り検知システム」を追加することで利用が可能だ。
なお、システムの開発においては、組み込みアプリケーション向けのコネクティビティ・ソリューションを提供するNXP Semiconductors N.V.と協業をしている。
「幼児置き去り検知システム」について、ミネベアミツミ開発責任者の稲本繁典氏は、「このシステムは、ミネベアミツミが長年培ってきたデジタルキーシステムにおけるUWBソリューションを活用したもので、当社独自のアルゴリズムにより、高精度な検知を実現しました。
なお、60GHzのミリ波レーダーを用いた置き去り検知システムでは、別のハードウェアやシステムを必要としますが、ミネベアミツミの当システムでは、専用のアンカーやECUを別途設置する必要が無く、置き去り検知システムの普及段階において、当社システムへの需要が高まると期待しています。」と述べている。
なお、「幼児置き去り検知システム」は、2023年10月26日より開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において、デモンストレーションとともに公開される。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。