パナソニックITS株式会社と北海道室蘭市は、高齢者を中心としたクルマを持たない地域住民の移動の利便性向上や、人材不足に悩む交通事業者の課題解決のために、室蘭MaaSプロジェクト「いってきマース」を2020年より推進しており、2023年には、正式サービスインに向けた2段階実験の第1弾として10月に有償実証実験を実施している。
このほどパナソニックITSは、第2弾実験として、タクシーと連携したMaaSの相乗り有償実証実験を、ショッピングモールMORUE中島とスーパーアークス室蘭中央店で2024年2月19日~3月15日で実施する。
同実証実験では、正式サービスインに向けて自立的で持続可能な「収益モデル」の検証のため、実際の運用状況に近い条件下でタクシーの稼働率、実験参加者の満足度、タクシー事業者及び連携する小売事業者の収益増加率などを計測する。また、SNSや、各種メディアを通じたPRにより、エンドユーザーである地域住民の認知向上を目指す。
具体的には、ショッピングモールMORUE中島とスーパーアークス室蘭中央店や実験参加者の自宅周辺で、相乗り形式の実証実験を行う。ユーザーが店舗に設置されたタブレットから配車予約を行う際、乗車時間と目的地が近いユーザーをマッチングする。相乗り利用ユーザーにはクーポンが発行され、通常運賃に対して25%分の料金が還元される。なお、マッチングが成立しない場合は、一人乗り利用も可能だ。
また、サービスインに向けた利便性向上のためデジタルクーポンを導入する。OCR(Optical Character Recognition)技術を用いて、タブレットでレシート読みとりクーポンを電子的に発行する。提携店舗利用額1,000円ごとに100円の割引クーポンが発行される。
今回、2023年10月の実験で配車率が低かった蘭西地区で配車率を上げるため、新たに室蘭北交ハイヤー株式会社、室蘭ハイヤー株式会社の2社と連携して行う。
パナソニックITSは今後、2024年度中のサービス実用化を目指し、任意の場所での相乗りタクシーの乗車を可能とする、スマートフォン上で動作する配車システムを開発・導入するとしている。また、バスとの連携を含めた実証実験も今後実施予定とのことだ。
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