旭化成エレクトロニクス、電気自動車向け新型電流センサの販売を開始

旭化成エレクトロニクス株式会社は、電気自動車向けコアレス電流センサ「CZ39シリーズ」の量産と販売を開始した。

「CZ39シリーズ」は、デバイス内に流す電流を計測するコアレス式の電流センサだ。独自のパッケージを開発することで、一次導体の抵抗値を 0.3mΩ まで抑えているほか、100ナノ秒の高速応答で電流を検知する。

環境温度は125℃で、40Armsの電流を連続通電させることが可能。発熱も抑えることができるため、熱設計が容易になる。加えて、沿面距離と空間距離を十分確保した耐圧構造を採用し、650Vを超える高耐圧アプリケーションにおいても使用可能となっている。

SiCやGaNなどを用いた次世代パワーデバイスを使用するOBCやDC/DCコンバータに「CZ39シリーズ」を使うことで、スイッチング周波数の高周波化が可能となり、モジュールを小さく設計することができる。

また、その高速応答性から過電流保護の用途にも利用可能だ。「CZ39シリーズ」を用いることで、システムにとって危険な過電流を検知した際に、自動的に電流を遮断する電子ヒューズ回路を実現することが可能だ。

SiCやGaNなどを用いたパワーデバイスでは、高電圧かつ高速のスイッチングを行うため、センサの動作や測定結果に影響を与える電磁波ノイズが強く発生する。

そこで「CZ39シリーズ」は、同社の化合物半導体技術やパッケージ技術、回路技術を組み合わせることにより、そのような環境においてもセンサ特性への影響が発生しにくい設計とし、ノイズの影響を抑え電流検出が可能だ。

アプリケーション例としては、EV用のOBCやDC/DCコンバータ、電子ヒューズ(E-Fuse)が挙げられている。

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