Huawei Mate9 Series
また、HuaweiのカスタマービジネスグループのCEOである、Richard Yuは、Huaweiの最新機種と未来について述べた。
最近世界的に売れているスマートフォン、HuaweiのMate9シリーズだが、国内でも売り切れ店続出で、メディアの評価も高い。
このシリーズも、Mate9 Proシリーズでは、Googleのバーチャルリアリティサービスである、Google Day Dreamと連携しており、Tangoと呼ばれるAR技術にも対応している。
Day Dreamの方はいわゆるVRなのでわかると思うが、Tangoの方は特別な機器にしか対応していないため馴染みが薄いかもしれない。
使い方としては、例えば部屋にバーチャル家具を置いてみて、家具を置くと部屋がどうなるかをシミュレートしたりすることができるAR技術を実現するためのサービスだ。
また、Mate9では今年中にAlexa対応が完了するということだ。こちらはお馴染みかもしれないが、Amazon Echoの機能がスマートフォンに搭載されているイメージをもってもらえばよい。もともと、Siriなどで実現できているじゃないかと思うかもしれないが、Amazon Echoに対応した数百にものぼる「スキル」を利用できるという点は大きい。
スキルというのは、アマゾン社がAlexaのために地道に開拓した多くのサービス群との提携モジュールで、実際には声をかければ対応する照明が点灯したり、UBERを呼んだり、本を買ったりすることができるという利便性がすでに実装されているのだ。
Huaweiの考えるIoTの未来
リチャード・ユーは、壇上、90年代の「情報革命」が起きた中、今まさに、「知の革命」が起きているのだと述べた。
「知の革命」とは、AIをつかったナチュラルな世界のために、「フィジカルな世界」と「デジタルな世界」をAIで移行していくという流れがあるというのだという。
インテリジェントなインタラクションを、AIをベースにしたたくさんの機器でつながっていく「IoTを基礎としたコネクティビティの変化」がおきる結果、デジタルワールドとフィジカルワールドがつながっていく、そして、クラウドは意思決定に使われることになると述べた。
そこで、Huaweiとしては、チップセット(KIRIN CHIPSET)の開発を始めていて、様々な産業を通じて革命を起こしていきたいという考えを述べた。
IoT時代に入り、得意な領域は自社が担当するものの、不得意な分野は提携するという動きがここにきて一気に加速し出しているという印象が色濃くあるキーノートスピーチであった。昨年までのコンセプトモデルを脱却して、IoTを通して強者連合がどんどん進んできているといえるだろう。
そして、機械学習などを取り込んだ、「スマートな」サービスも続々出現しており、コンシューマ向けIoTの可能性を強く感じた。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。