テスラの自動運転車
出典 : Tesla Model3
世界で初めて「自動運転を実現した」と評価されることの多いテスラの「オートパイロット」ですが、現実にはドライバーの操作補助にすぎないレベル2自動運転止まりであることも今では周知されつつあります。
先に書いたアウディのレベル3自動運転試作車が危惧している問題、つまり高速走行時にセンサーの限界でブレーキが間に合わない、という実情もあり、それが原因かまでは結論が出ていませんが死亡事故も起きました。
逆に言えばそれだけ普及したレベル2自動運転システムと言えますが、事故を契機に「オートパイロット」のシステムを供給していたイスラエルのモービルアイ社との関係を打ち切り、新たな自動運転システムの採用に踏み切るようです。
2016年10月に発表されたこの「オートパイロット ハードウェア2」は今後のテスラ車全てに装着される予定で、完全にドライバーが介入しない自律式のレベル4自動運転を実現可能、としています。
テスラではこの新たな自動運転システムで、以前にも行った北米縦断走行のデモンストレーションを行う予定ですから、その実力は間もなく明らかになるでしょう。
GMの自動運転車
出典 : 2017 BOLT EV
テスラが米国新興自動車メーカーの雄なら、GMは米国老舗自動車メーカーの雄です。
世界中の多くの老舗自動車メーカーがそうであるように、世界の自動車市場へ与える影響が大きいGMの施策もまた慎重で、2017年にはレベル2自動運転に該当する自動運転支援システム「スーパークルーズ」をキャデラックTC6に搭載して市販することを明らかにしました。
この「スーパークルーズ」は現在、GMのEV(電気自動車)、「ボルト(Bolt)」(※GMの「ボルト」には「Bolt」と「Volt」、全く異なる2車種があるので注意)に搭載されて公道テストを行っています。
GMは半自動運転システムと銘打っているものの、ドライバーが道路に注意を払っていることを監視するシステムを搭載するため、実際はドライバーの運転補助にとどまるレベル2相当です。
作動範囲のGPSなどの位置情報からGMが認めた道路でしか作動しないため、ハイウェイの中でも脇道が存在しない道など、とにかくテスラのような死亡事故で話題になることは避けたいのが本音でしょう。
その一方、自動運転関連技術を開発している企業の買収は積極的に進めており、さらに配車サービスのLyftと提携して、先に書いた自動運転EV「ボルト(Bolt)」による配車サービス実験を開始するとしています。
先に書いたように「スーパークルーズ」そのものが非常に限定的なので、Lyftによる実験も非常に限定されたものとはなりそうですが、石橋を叩いて渡るように、慎重に実用化への道を歩んでいるのがGMです。
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