2013年にドイツがハイテク戦略としてIndustrie 4.0を打ち出し、それに伴い日本でも国内における人手不足の深刻化による省力化投資の重要性拡大を背景とし、IoTやデジタル化促進が促された。
IoTの普及に伴い、資源調達から設計、生産、物流、サービスまで、企業のバリューチェーン全体を結びつける製造業のデジタル化への注目度が高まった。
そしてあらゆるものがインターネットに接続したことで、膨大なデータの蓄積が進み、経済活動や個々人の生活に影響を与えるようになった。
2010年代後半からデジタル化は製品そのものだけでなく、付随するサービスやソリューション等の付加価値まで含めた「コトづくり」の重要性が高まり、単なる製造工程のデジタル化にとどまらず、IoTを導入する際のビジネスの在り方が考えられるようになった。
2017年にはドイツ情報通信見本市(CeBIT)において、安倍総理から日本が目指すべき産業の姿として「Connected Industries」が提唱され、人と機械が協調する新しい社会が示された。
Connected Industriesとは、データを介して、機械、技術、人など様々なものがつながることで、新たな付加価値創出と社会課題の解決を目指す産業の在り方を指す。
「第四次産業革命」の技術を用いて、情報社会に続く目指すべき社会「Society 5.0」を実現するための方法として、鍵を握るものになる。
(出典:モノづくり白書2019)
INSIGHT
2013年にIndustrie4.0が打ち出され、5年が経つ。そして、この表にはない2019年のHannover Messeにおいて、フォルクスワーゲン社がSiemens MindSphereとAWSを採用し、同社の122施設にあるすべての工場、設備、システムに接続し、すべてのデータを統合管理するシステムを構築すると発表した。
また、この発表では、1,500社を超える関係会社とのサプライチェーンにおいて、3万以上の拠点をつないで生産だけでなく、物流なども取り込んだシームレスなサービスを行うということになっている。
ついに始まった、サプライチェーン横断でのデジタル導入は、そこに流れるデータを中心としたパラダイム・シフトを意味する。
現場の生産性改善にとどまらない、商流・物流を取り込んだ産業構造の変革が起ころうとしている。
(IoTNEWS 小泉)
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