絶えず生産設備を稼働されている製造業にとって、製品の品質確保や不良品発生の防止のために、設備の異常を早期に発見することが常に課題となっている。できるだけ早い段階で異常状態を発見することは、突発的な生産ラインの停止を未然に防ぎ、生産性を向上するうえで非常に重要である。
しかし、目に見えない異常を最適なタイミングで計ることは非常に難しく、稼働中の装置や生産設備の故障予知をより早く正確に把握したい要望は後を絶たない。従来の温度センサや振動センサは信号の検知から異常発生に至るまでの時間が短く、普段から不測の事態に備えて高価な交換部品を数多くストックしておく必要があるため、大きなコスト負担が発生している。
菱洋エレクトロ株式会社は、国産AE(※)モニタリングシステムを開発・販売するAE技術ブランド「FIRST AE」を有する信和産業株式会社と取引基本契約を締結し、FIRST AEの販売を開始した。
FIRST AE製品は、さまざまな製造現場で利用できるよう小型化、IoT化を実現し、計測対象の材質や設備・インフラ環境に合わせた適切なセンサの種類と、取り付け治具のカスタムにも対応している。また、他社のAEセンサと異なり日本国内で設計・製造されており、AEセンサで検出し送られてきた電気信号を集約するAE計測と、計測データを専用ソフトウェアで処理・評価することで対象物の状態を把握することが可能なモニタリングシステムも提供している。
さらに、AEセンサはき裂や摩耗が発生したときに1次的現象である弾性波を捉えることが可能で、AEセンサの取り付け方向に制限はなく、弾性波の伝達範囲内であれば設置が自由だ。そのほか、他のセンサでは検知が難しい低速回転下の傷の有無、潤滑不良状態を計測できる。
※ AE(アコースティック・エミッション):材料が変形したり、き裂が発生したりする際に材料が内部に蓄えていた弾性エネルギーが高い周波数をもつ音響信号(弾性波)として放出される現象。この弾性波を検出し、評価するAE技術によって材料内の欠陥(クラック)の発生や進行などを非破壊で把握することができる。
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