生産性の向上を図るには、作業を見える化して分析する必要があるが、人的リソースがかかることや、実態の把握までに時間がかかることが課題となっていた。
そこで住友電気工業株式会社とソフトバンク株式会社は、5Gを活用した映像伝送とAIを用いた映像解析により、工場の作業を自動的に、かつリアルタイムに見える化する実証実験を行った。
今回の実証実験では、住友電工の工場内に高精細カメラを4台設置して作業の様子を撮影し、その映像をソフトバンクの5Gネットワークを利用して住友電工のデータセンター内のクラウドサーバーに伝送。伝送された映像をAIが解析し、作業の分類や時刻との照合などを行った上で、住友電工が独自開発したソフトウェアが個々の作業のタイムチャートを生成する。
また、このソフトウェアは、1日ごとの目標時間と実際の作業時間を分析し、自動でグラフ化することにも対応している。
実証実験の結果、手動での作業時間の計測・集計や作業の分類にかかっていた人的リソースを大幅に削減できた他、作業者は目標時間と実際の作業時間の差分を確認しながら作業に取り組むことで効率化につながった。

そして5Gを活用することにより、常時遅延なく安定して伝送できることが確認された。
なお、5Gネットワークの利用には、住友電工が開発した高速通信対応、端末エッジ機能、多様な接続インターフェースを備えた産業用5G端末が使用された。この端末を使用することで、工場内に新たなネットワークを構築する必要がないため、ネットワークの整備にかかる負担を軽減することができる。
今後、住友電工は、サプライヤーとして産業用5G端末の製品化に向けた開発を進めるとともに、ユーザーとして5Gの活用検討を進める予定だ。
また、ソフトバンクは、今後も様々な企業と連携し、5Gを活用したソリューションの開発に取り組む他、2022年度をめどに法人向けの5Gマネージドサービス「プライベート5G」を提供する予定だ。
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